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トイレの落書きは「建造物損壊」 最高裁

2006年01月20日 | 判例一般
 「壁の再塗装に約7万円がかかった」という事実認定をしているので、建造物損壊罪に当ると思いますが、懲役1年2カ月執行猶予3年は、量刑として重くないですか?
http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200601190380.html

 (追記)
 上記で、建造物損壊罪が成立すると考えたのは、これまでの最高裁判例には、「いわゆる闘争手段として、多数のビラを密接集中させて建造物にはりつける行為は、その効用を減損するものであり、建造物の損壊にあたる。」(全電通東海地本事件、最決昭41.6.10刑集20-5-374)があるからです。

 しかし、この程度であれば、罰金または科料が相当と考えますが、刑法260条(建造物等損壊罪)には罰金・科料の刑がありません。そうであっても、「懲役1年2カ月」は、常軌を逸した量刑だと思います。
 このような量刑になったのは、これまでの最高裁判例を踏襲したものと推測します。

 このような最高裁の考え方を変更させるには、最高裁と最高検察庁に対してその不当性を指摘し、また、マスコミに対しては、量刑の問題について特集記事を掲載してもらって世論を喚起し、法改正を求めるしかないように思います。