カンボジアだより シーライツ

国際子ども権利センターのカンボジアプロジェクト・スタッフによるカンボジアの子どもとプロジェクトについてのお便り

子どもの人身売買防止プロジェクト現地出張報告第2弾<村人からみたNGO>

2005年09月16日 18時03分51秒 | 人身売買防止プロジェクト(収入向上)
みなさんこんにちは、平野です。国際子ども権利センター支援によるHCCのプロジェクト地、プレイベン州コムチャイミア郡への第2回現地出張(9月5日~8日)、今日はその4回目になります。前回に引き続き、さまざまな人々への調査結果から回答をピックアップして、そこから見えてくる村の実情、村人の見たHCCの活動について考えてみたいと思います。前回の【村の問題】の内容を踏まえて読んでいただくと、より理解していただけると思います。

【Q HCCが来てから変わったことはありますか?】

A 子どもの権利が広まった(男性・副村長)
A 農業のやり方を教わった(45歳女性・8児の母)
A ドメスティック・バイオレンスが減った(同上)
A 農業技術を教わった。農業用井戸をもらった(65歳男性・自助グループリーダー)
A 牛や井戸をくれたし、農業技術も教わった(40歳女性・2児の母)
A 学校に行く子が増えた(同上)

【Q HCCの活動で印象深いものは?】

A 人身売買予防の取組み(男性・副村長)
A 収入向上プログラム、(子どもの権利や人身売買、DV等についての)意識啓発(65歳男性・自助グループリーダー)
A 人身売買に関すること(40歳女性・2児の母)
A 農業用井戸、意識啓発(初老男性)

【Q HCCのスタッフを信用しますか?】

A 信用します。助けてくれるし、牛や農業用井戸など形になった支援もあるし。他は来てもすぐ去ります(男性・副村長)
A 信じます。定期的に来てくれているので。(65歳男性・自助グループリーダー)
A 信じます。人身売買やDVについて教えてくれたし、物的支援もしてくれました。(40歳女性・2児の母)
A 信じます。牛や農業用井戸を支援してくれました。(45歳女性・8児の母)
※ この女性への追加質問
Q 物的支援がなかったら? 
A 存在を知らなかったのではないかと思います。
Q 物的支援はなしで、意識啓発だけしていたら?
A 信じていたでしょう。ウソをつかないし、いい事を教えてくれましたから。
 
総じてHCCの活動は評価され、スタッフも信用されていることがうかがえます。と、同時に、農業用井戸(国際子ども権利センターがHCCを支援する以前の活動です)や牛といった物的支援が、HCCが活動を円滑に進める上で必要な「村の人々との信頼関係」を作っていくにあたって、大きな役割を果たしていることも浮かび上がってきます。

私自身、HCCの本業は人身売買予防のための意識啓発活動と思っていたので、平行して収入向上プログラムを実施することに対してその効率性などを疑問に思ったこともありましたが、こういった村人の声を聞き、貧しい人々に本当に届く支援とはなにか、日々さまざまな考えが頭を巡ります。

※写真は調査に協力してくださった8人の子どものお母さんです。

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