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こんにちは。今回と次回は、イギリスのロンドンからブログをお届けします。わたしの無二の親友リー・ヴィチュターがイギリス政府の招待でロンドンに長期滞在中なので、わたしも大学の休みを利用して2週間だけ合流することにしました。ヴィチュターは「子どもと女性を支援する法律の会(Legal Support for Children and Women (LSCW)」の創設者であり、現在の代表でもあります。ちょうど私は仕事を持参していて、その内容がカンボジアにおける子どもを狙った性犯罪(主としてレイプ)の統計に基づく分析で、過去2年間に発生した460件の性犯罪事件を分析しているところです。そこで、カンボジアで性犯罪の被害者に弁護を提供している団体の代表のヴィチュターに、この問題について話を聞きました。以下は、彼女の許可を受け、発言内容を日本語に翻訳しています。
性犯罪:農村地域と都市部の違い
カンボジアでは子どもが性犯罪の被害にあいやすい状況に置かれています。その理由は、多くの子どもが安全でない環境で生活せざるをえないからです。性犯罪は都市でも農村部でも発生していますが、農村部のほうが深刻な問題です。大人の目がなかなか届きにくい環境で子どもが生活しているからです。農村地域では、多くの両親が朝早くから夕方遅くまで家から遠くに出かけて農作業に従事していることが多く、子どもたちは保護者なしで長い時間自宅に取り残されます。学校は半日しかなく、遊び場となる公園などもないため、ほとんどの子どもは自宅周辺で多くの時間を過ごします。家事を手伝って自宅にいる子どもも多くいます。子どもたちは、保護してくれる大人が不在なまま、危険にさらされています。
他方、都市部に住む保護者たちは、「都市は安全でない」という前提で生活しており、常に子どもの安全に目を光らせています。都市部では人口密度が極めて高いため、子どもが一人で家に取り残されていてもそれほど危険ではありません。近所の人の目が光っているのです。また、多くの保護者は子どもに学業に専念してほしいと期待しているため、保護者が時間を費やして子どもと勉強しています。公立学校に加えて私立学校や補習校など、いくつも学校に通っている子どもも多く、子どもたちも忙しいのです。レイプが少ないと言うわけではありませんが、農村地域と比べると都市部では、性犯罪被害にあう子どもの置かれている状況はかなり違っています。
子どもは大人と違って、自分たちを危険から守る術を知りません。また、加害者から見ても、「きっと黙らせることが出来るだろう」という子どもに対する差別の感情があるのだと思います。そういった理由から、子どもを狙った性犯罪が絶えないと言えるでしょう。
中川香須美コメント
ヴィチュターの発言内容で、農村地域と都市部では子どもが生活する状況が異なり、都市部では近所の人の目が光っているという点については、確かにその通りだけれども、それが性犯罪から子どもを守ることにつながっているかどうかは疑問だと思います。実際、統計上では性犯罪の約8割の被害者が加害者と知り合いや親戚関係にあります。レイプ神話だとして否定されている通り、見知らぬ人がいきなり襲ってくるというようなレイプはカンボジアでもほとんどありません。性犯罪一般に言えることですが、男性が女性に対して差別感情を持ち(あるいは大人が子どもに対して差別の感情を持ち)、権力を乱用して性犯罪の対象として自分よりも弱い立場に置かれている女性や子どもを狙う、という点が重要ではないでしょうか。
なぜ性犯罪が?
性犯罪が発生する理由は、数多くあって、それぞれの事件で異なる理由があるといってもいいくらいです。カンボジアにユニークな特徴としては、以下が挙げられるかもしれません。まず、カンボジアの田舎では、男女を問わず子どもたちが上半身裸で歩くのが普通です。すぐに汚してしまうからという理由や、貧しくて多くの服を買えないといった理由から、両親たちも娘が上半身裸で歩いても気にしないのが一般的です。ところが、最近は栄養状態が以前よりはよくなってきていて、8歳くらいで生理が始まる少女もいます。少女の身体的な成長が早くなっているのに、上半身裸で歩く少女もまだ多く見られます。この子どもたちが犯罪者をあおっていると言いたくありませんが、スタッフなどから聞く話によると、性犯罪とのつながりは否定できないようです。男の子からさらに幼い少女を狙った性犯罪事件も増加傾向にあります。幼い男の子が性犯罪を犯す場合は、その多くがポルノに関係があるようです。ポルノを見た男の子が、同じことを試したいと思ってより幼い少女を狙うのです。
また、農村地域では多くの家庭が大家族で生活しています。大人数の家族がひとつの屋根の下で寝ます。若い新婚夫婦でも、大勢の中で一緒に夜を過ごします。わたしは直接見たことがありませんが、若いスタッフから話に聞くところでは、幼い男の子たちでも新婚夫婦の夜の動きをしっかり観察していて、興味津々になるそうです。「いつかは同じことを試してみよう」と考える男の子が、より幼い女の子をレイプする事件も多発しています。
中川香須美コメント
農村地域の真ん中で生活した経験はもう何年も前なので、最近の様子はどうか正確には分かりません。ただ言えるのは、裸で歩いている少女や大家族で生活する生活スタイルは、何年も前から見られる一般的なカンボジアの農村部の様子だという点です。
むしろ、国際化の波を受けてポルノが農村でも氾濫していて、子どもですら大人と一緒に行動することによって簡単にポルノを見せられる環境に置かれやすくなっていることが大きな問題だと思います。すでに5年くらい前に行われた調査で、11歳から13歳の男子の約半数がポルノ(映像)を見たことがあると回答しています。
現在では、この割合はもっと高くなっていると思います。ポルノと性犯罪の関連については、まだ本格的な調査がないので実際どうなのか分かりませんが、子どもが性犯罪を犯す率が高くなってきている状況からみると、間違いなく大きな関連があると思います。
加害者は?
カンボジアでの性犯罪の加害者のほとんどは、被害者と同じ地区に住み、周辺の人から「普通」とみなされている男性の場合が圧倒的多数を占めます。加害者にこれといった特徴はありません。金持ちや権力を持っている人が加害者になる場合もありますが、ほとんどは「普通の男性」、例えば何の特徴もない「夫」であったり「父親」という社会的役割を担った人たちです。ただ、これまでカンボジアでは加害者を対象とした調査が実施されていないので、加害者の傾向の全体像はつかめていません。もしかしたら、加害者になりやすい男性の傾向があるのかもしれません。
中川香須美コメント
女性に対する暴力について学生と話す時、必ず加害者のイメージの話をします。学生が挙げるのは、1.貧しい家庭の男性、2.アルコールの影響下にある男性、2.妻以外に恋人がいる男性、といったものです。教員としての私の役割は、この固定観念を学生から取り除くことにあります。大学まで来ている学生たちは、自分では気づかずに貧しい人たちに対して差別の気持ちを持っている場合が少なくありません。偏見を取り除いてもらうため、政府で要職についている男性であっても、アルコールの影響を受けていなくても、誰でも女性に対して暴力をふるう可能性があるという話をします。クラスで家庭内暴力の話をした時、「あなたたちが現時点で愛して結婚する人は、10年後には今とは同じ性格の人間じゃない。もしかすると、暴力を振るう人間に変わっているかもしれないということを理解してほしい」と言うと、「そんなこと考えてたら結婚できない!」って学生から文句を言われたことがあります。でも、誰もが加害者になったり被害者になったりする可能性があるということを分かっているのと、分かっていないのとでは、実際に被害にあったときに受け止める心の強さが違うと思います。
(つづく)
写真は、地方のある家族の写真(プレイベン州コムチャイミア郡)。本文とは一切関係ありません。©甲斐田万智子
子どもへの性暴力をなくすために会員になってください。
http://www.jicrc.org/pc/member/index.html
性犯罪:農村地域と都市部の違い
カンボジアでは子どもが性犯罪の被害にあいやすい状況に置かれています。その理由は、多くの子どもが安全でない環境で生活せざるをえないからです。性犯罪は都市でも農村部でも発生していますが、農村部のほうが深刻な問題です。大人の目がなかなか届きにくい環境で子どもが生活しているからです。農村地域では、多くの両親が朝早くから夕方遅くまで家から遠くに出かけて農作業に従事していることが多く、子どもたちは保護者なしで長い時間自宅に取り残されます。学校は半日しかなく、遊び場となる公園などもないため、ほとんどの子どもは自宅周辺で多くの時間を過ごします。家事を手伝って自宅にいる子どもも多くいます。子どもたちは、保護してくれる大人が不在なまま、危険にさらされています。
他方、都市部に住む保護者たちは、「都市は安全でない」という前提で生活しており、常に子どもの安全に目を光らせています。都市部では人口密度が極めて高いため、子どもが一人で家に取り残されていてもそれほど危険ではありません。近所の人の目が光っているのです。また、多くの保護者は子どもに学業に専念してほしいと期待しているため、保護者が時間を費やして子どもと勉強しています。公立学校に加えて私立学校や補習校など、いくつも学校に通っている子どもも多く、子どもたちも忙しいのです。レイプが少ないと言うわけではありませんが、農村地域と比べると都市部では、性犯罪被害にあう子どもの置かれている状況はかなり違っています。
子どもは大人と違って、自分たちを危険から守る術を知りません。また、加害者から見ても、「きっと黙らせることが出来るだろう」という子どもに対する差別の感情があるのだと思います。そういった理由から、子どもを狙った性犯罪が絶えないと言えるでしょう。
中川香須美コメント
ヴィチュターの発言内容で、農村地域と都市部では子どもが生活する状況が異なり、都市部では近所の人の目が光っているという点については、確かにその通りだけれども、それが性犯罪から子どもを守ることにつながっているかどうかは疑問だと思います。実際、統計上では性犯罪の約8割の被害者が加害者と知り合いや親戚関係にあります。レイプ神話だとして否定されている通り、見知らぬ人がいきなり襲ってくるというようなレイプはカンボジアでもほとんどありません。性犯罪一般に言えることですが、男性が女性に対して差別感情を持ち(あるいは大人が子どもに対して差別の感情を持ち)、権力を乱用して性犯罪の対象として自分よりも弱い立場に置かれている女性や子どもを狙う、という点が重要ではないでしょうか。
なぜ性犯罪が?
性犯罪が発生する理由は、数多くあって、それぞれの事件で異なる理由があるといってもいいくらいです。カンボジアにユニークな特徴としては、以下が挙げられるかもしれません。まず、カンボジアの田舎では、男女を問わず子どもたちが上半身裸で歩くのが普通です。すぐに汚してしまうからという理由や、貧しくて多くの服を買えないといった理由から、両親たちも娘が上半身裸で歩いても気にしないのが一般的です。ところが、最近は栄養状態が以前よりはよくなってきていて、8歳くらいで生理が始まる少女もいます。少女の身体的な成長が早くなっているのに、上半身裸で歩く少女もまだ多く見られます。この子どもたちが犯罪者をあおっていると言いたくありませんが、スタッフなどから聞く話によると、性犯罪とのつながりは否定できないようです。男の子からさらに幼い少女を狙った性犯罪事件も増加傾向にあります。幼い男の子が性犯罪を犯す場合は、その多くがポルノに関係があるようです。ポルノを見た男の子が、同じことを試したいと思ってより幼い少女を狙うのです。
また、農村地域では多くの家庭が大家族で生活しています。大人数の家族がひとつの屋根の下で寝ます。若い新婚夫婦でも、大勢の中で一緒に夜を過ごします。わたしは直接見たことがありませんが、若いスタッフから話に聞くところでは、幼い男の子たちでも新婚夫婦の夜の動きをしっかり観察していて、興味津々になるそうです。「いつかは同じことを試してみよう」と考える男の子が、より幼い女の子をレイプする事件も多発しています。
中川香須美コメント
農村地域の真ん中で生活した経験はもう何年も前なので、最近の様子はどうか正確には分かりません。ただ言えるのは、裸で歩いている少女や大家族で生活する生活スタイルは、何年も前から見られる一般的なカンボジアの農村部の様子だという点です。
むしろ、国際化の波を受けてポルノが農村でも氾濫していて、子どもですら大人と一緒に行動することによって簡単にポルノを見せられる環境に置かれやすくなっていることが大きな問題だと思います。すでに5年くらい前に行われた調査で、11歳から13歳の男子の約半数がポルノ(映像)を見たことがあると回答しています。
現在では、この割合はもっと高くなっていると思います。ポルノと性犯罪の関連については、まだ本格的な調査がないので実際どうなのか分かりませんが、子どもが性犯罪を犯す率が高くなってきている状況からみると、間違いなく大きな関連があると思います。
加害者は?
カンボジアでの性犯罪の加害者のほとんどは、被害者と同じ地区に住み、周辺の人から「普通」とみなされている男性の場合が圧倒的多数を占めます。加害者にこれといった特徴はありません。金持ちや権力を持っている人が加害者になる場合もありますが、ほとんどは「普通の男性」、例えば何の特徴もない「夫」であったり「父親」という社会的役割を担った人たちです。ただ、これまでカンボジアでは加害者を対象とした調査が実施されていないので、加害者の傾向の全体像はつかめていません。もしかしたら、加害者になりやすい男性の傾向があるのかもしれません。
中川香須美コメント
女性に対する暴力について学生と話す時、必ず加害者のイメージの話をします。学生が挙げるのは、1.貧しい家庭の男性、2.アルコールの影響下にある男性、2.妻以外に恋人がいる男性、といったものです。教員としての私の役割は、この固定観念を学生から取り除くことにあります。大学まで来ている学生たちは、自分では気づかずに貧しい人たちに対して差別の気持ちを持っている場合が少なくありません。偏見を取り除いてもらうため、政府で要職についている男性であっても、アルコールの影響を受けていなくても、誰でも女性に対して暴力をふるう可能性があるという話をします。クラスで家庭内暴力の話をした時、「あなたたちが現時点で愛して結婚する人は、10年後には今とは同じ性格の人間じゃない。もしかすると、暴力を振るう人間に変わっているかもしれないということを理解してほしい」と言うと、「そんなこと考えてたら結婚できない!」って学生から文句を言われたことがあります。でも、誰もが加害者になったり被害者になったりする可能性があるということを分かっているのと、分かっていないのとでは、実際に被害にあったときに受け止める心の強さが違うと思います。
(つづく)
写真は、地方のある家族の写真(プレイベン州コムチャイミア郡)。本文とは一切関係ありません。©甲斐田万智子
子どもへの性暴力をなくすために会員になってください。
http://www.jicrc.org/pc/member/index.html
(大阪市では昨日・今日と11年ぶりの積雪です。寒いです。そちらロンドンではどうでしょうか)
さて、ちょっと本題から外れますが気になるので・・・
「過去2年間に発生した460件の性犯罪事件を統計的に分析している」とのこと、これはカンボジアで発生した性犯罪事件全てでは勿論ないと思われますが、仮に実際3万件あったけれども被害者がプライバシーを公に知られるの嫌がり事件化せず泣き寝入ってるケースも多いと思います。こういうケースを差っぴいた上で統計を取ると偏向的な統計結果になりはしないかとふと思いました。
460件の選出条件は何なんでしょうか。
---> 心構えは大事ですよね。ただいろんな悪い可能性を考えてると(備えあれば憂いなしで心強いですけど)相手に疑心暗鬼になって不和の元になっちゃう。「好き」という感情はお互いの無垢な信頼関係や、尊敬し労わりあう心の上に成り立つものだと思うので、私は。
ちなみにわたくしは10年前・20年前と性格が全然変わっておりません。。子どものまま成長してないのかも・・・
こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
現在私が依頼されて調査しているカンボジアの性犯罪は、性犯罪から子どもを守るネットワークのメンバーに被害者から支援の依頼があった事件だけです。たとえば弁護士支援とか、医療の支援とか、シェルターに受け入れてもらえないか、という支援内容です。ですので、わたしが分析している事件は、あくまでも氷山の一角です。自分が選んだというよりも、提供された性犯罪の統計をもとに分析しているというかんじです。
ご指摘のとおり実際性犯罪がどの程度の頻度で発生しているかは、不明です。政府の統計すらいい加減なので、合計すれば何千件になると思います。婚姻間におけるレイプや、デートレイプなどを含めると、数万件になる可能性もあります。
カンボジアでは、まだ伝統的な紛争解決の方法がとられる場合が多くあります。たとえば、ラタナキリ・プレアビヒア・クラティエなどの少数民族が多く住む地域では、過去2年間でそれぞれ1件しか性犯罪の報告がありません。こういった地域では、伝統的な紛争処理のやり方があって、土地紛争以外の犯罪は警察に報告されることがほとんどありません。警察が少数民族に対してあまり理解がない、あるいは少数民族が警察の話すクメール語を理解できない、など色々理由はあるようです。
他方、人口の9割程度を占めるクメール民族でも、司法に対する不信感や、警察からの賄賂の要求、あるいは被害者が「はずかしい」と思ってしまうことなどから、性犯罪の報告割合はとても低いと思います。でも実際どの程度なのかは、残念ながら統計がないので分かりません。
裁判まで性犯罪を持ち込んだ場合、勝訴する確立はかなり高いです。ある弁護士を提供するNGOによると、その団体が弁護する性犯罪事件のうち8割は勝訴するそうです。あとの2割は、裁判にまで持ち込むのだけれど、裁判に被害者が証人として出頭してくれないそうです。裁判の前に、裁判所から賄賂の要求が被害者に直接入り、「そんなお金は出せない」と怖くなって裁判に来ないそうです。その際、裁判所からは、「この件(賄賂)は絶対弁護士に話さないように」ということも言われるそうです。弁護士としては、せっかく裁判まで持ち込んだのに、証人がいなくては勝訴できず、悔しい思いをするそうです。
>・・・
>証人がいなくては勝訴できず、悔しい思いをするそうです。
そう、そこなんですよね、それもほんと元凶ですよね(怒)。
ここまで司法が堕落してると、裁判所を信頼することで成り立つはずの『法の支配』なんて概念が実際に機能するわけがない。ふざけるな、という感じです。
:日本においても正常に機能しているかといえば微妙かなとは個人的には思いますが.
贈収賄罪を厳罰化するなど、何か策はないものか・・・
汚職の問題は、どの国でも深刻だと思います。ただ、カンボジアでの問題は、あまりにも日常生活に汚職が蔓延していることです。
わたしの生徒で、昼間は仕事をしながら夜間に大学に通っている女性が、「3年前に結婚したけれど、まだ婚姻届を出してない」という発言をしたことがありました。ちょうど、ジェンダーと結婚という講義内容の日でした。彼女が婚姻届を出していない理由は、役所から賄賂を要求されたからです。彼女は子どもを作る予定で、子どもができたら再度役所に行って届出を安価で発行してくれるか試してみようと思っていると言っていました。
ちなみに、お金で大学の単位を買うのも普通です。最近、国立大学の教員をしている友人に聞いた話です。ある女子学生が、最初の講義に出席して、教員に対して横柄な態度をとったので、彼女が注意したところ、結局二度と講義に来なかったそうです。でも、なぜか最優秀の成績でそのコースを終了していたそうです。彼女の知らないところで、成績が書き換えられていたのです。
わたしは5年間の教員生活で、2回だけ賄賂と引き換えに単位を要求されました。もうずいぶん前の話です。両者とも、即刻学部長に連絡したので、あの生徒たちは、まだわたしのことを恨んでいるかもしれません。
数は非常に少ないですが、女性から男性へのレイプも実在します。しかし、アメリカや日本など、先進国とされる国でも、レイプ犯罪というのは基本的に女性が被害者であるという前提しか存在せず、男性の強姦被害者はそもそも訴えることができないという現状があります。
貴方もまた、レイプは女性、および子供しか被害者では無いという考えのように見えます。男性が被害者という視点が省かれている(もしくは、そもそも思い至らなかった)のは、貴方の中に「女性による男性への差別心」が存在するからではないでしょうか?
とされることが多いのですが、深刻な問題です。わたしの講義でも、刑務所内におけ
る男性に対する性犯罪や、セクシャルハラスメントで男性が被害にあう事案などを紹
介することを通じて、学生たちにジェンダーにもとづく差別・あるいは暴力について
学んでもらっています。日本でも、男性や男子に対する性犯罪について、もっと関心
と理解がたかまって、差別感情がなくなっていけばいいと思います」
なかがわ