ウォールストリートジャーナルの記事が、
■ 転載元: オノコロ
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今回の尖閣偽装侵略問題に端を発した、
「対中冷戦」の開始について、
よくまとまめている。
我々は残念ながら、
中国が、経済発展を通じて、
近隣諸国のように、
民主化してゆくという「幻想」をもてなくなってしまった。
しかし、それは中国政府が真に考えていたことであろうから、
「本来の姿」に戻っただけだろう。
ならば、その結果、我が国の指導者も、財界も、国民各層も
警戒を高め、
結果として、我が国の国益は守られることになる。
対中冷戦「第二次冷戦」の勃発を歓迎したい。
Reuters
海上保安庁巡視船「くだか」(上)と中国漁業監視船(9月28日、東シナ海)
マイケル・オースリン
日本は先ごろ、東シナ海で海上保安庁巡視船に衝突した中国漁船の船長を釈放したが、日本政府と中国政府の険悪な空気が和らぐ気配はない。近隣地域全域で領有権を主張することへの中国政府の関心は今に始まったことではないが、ほかの諸国がますます注意を払うようになっている点 ― かつ、中国に立ち向かっている点 ―は今までなかったことだ。中国指導部がそれに伴うあつれきに今後どう対応するかで、東アジア地域全体が今後10年間いかに平和的に発展するかがおそらく決まるだろう。
日本は、中国が近海の領有権を主張する試みのなかで激怒させた唯一の国では決してない。今年8月、インドネシアは、国際法が自国の沿岸から200カイリの範囲と規定する領域である「排他的経済水域」で違法に操業していた中国漁船を拿捕(だほ)した。中国は先ごろ、黄海で実弾射撃訓練を実施したが、同じとき、さほど遠くない場所では米韓合同海軍演習が行われていた。国境をめぐりベトナムと中国の間で長年続いている緊張関係は、アジア諸国間の関係を改善する外交面の取り組みに暗い影を投げ掛けてきた。両国は1979年に陸上で国境紛争を展開し、より最近では、両国(およびその他数カ国)が領有権を主張している南シナ海の南沙および西沙諸島近海で中国艦船がベトナム漁船を銃撃した。
今までと違ってきているのは、アジア諸国が今や大小を問わず、正道を踏み外した隣国中国に立ち向かうことをいとわなくなっているように思われる点だ。東南アジア諸国は、中国の近海領有権の主張に反対を表明する場として、ASEAN地域フォーラムを用いてきた。7月のフォーラムの席上、米国のクリントン国務長官が、米政府は南シナ海の領有権問題の平和的解決が米国の国益にかなうものと見なしていると明言したことで、東南アジア諸国は大いに勢いづいた。同様に、日本政府の新しい報告書(「新たな時代における日本の安全保障と防衛力の将来構想」)は、日本の安全保障面の優先事項中、優先度の高いものとして、「市場へのアクセスとシーレーンの安全維持」を挙げているが、これは紛れもなく中国を指している。
アジア各国の国民は皆同様に、中国の威嚇と、そうした脅しに直面した際の自国政府の弱腰ぶりの両方に対し、ますます声高に批判の声を上げるようになっている。例えば韓国民は、商業地区にあるホテルで暴動を引き起こす一歩手前まで行った、ソウルでの中国人学生による2008年の暴力的なデモ以降、中国をますます警戒するようになっている。日本の菅直人首相は、尖閣諸島危機を平和的に解決したことで褒められるどころか、中国の圧力に屈したとして国民から批判されている。
こうした批判の高まりの背後には、中国自身の軍事力増強に対抗することを目指した軍事支出の増大がある。アジア太平洋地域は、今や世界第2位の海軍軍備支出市場となっている。ベトナム、インドネシア、シンガポール、日本は潜水艦隊を増強しつつある。インドは新たな艦船に400億ドルを支出する予定で、今やアジア最大の海軍大国となっている。日本と韓国は共に米第5世代ジェット戦闘機F-35の購入を目指しており、一方、シンガポールとオーストラリアはすでに同機を米国と共同生産している。さらに日本と韓国は、高価な弾道ミサイル防衛システムへの投資を継続している。
中国政府がますます自己主張を強めるなか、今年は、コンセンサスがついに転換する年となるかもしれない。すなわち、中国が大国の中で責任ある利害関係国としての地位をやがて占めるだろうという見方から、中国のアジア地域目標が外交行為の国際基準とは相いれないものであることを明示する形で中国の軍事力が行使されるだろうという、より悲観的な確信へと。
中国政府は、そうした懸念を和らげる措置をとることができるはずだ。例えば、今回の尖閣諸島論争では日本に対してもっと融和的な姿勢をとることができたであろうし、黄海における米韓合同演習に対する批判を控えることもできたはずだ。憂慮すべきことに、中国政府の現在の姿勢はむしろ、長年にわたる辛抱強い外交が、ほんの数カ月で台無しになりかねないことを暗示している。しかも、中国の軍部は、外交官以上に政策を推進しているように思われ、中国の今後の針路についての不安をさらにあおっている。
一つの必然的結果として、何の制約も設けずに中国とかかわることが中国の行動を変化させると考える国は今やほとんどないように思われる。そうした恭順は、中国を増長させるだけだろう。米国は今や、両面戦略を公然と追求している。今回の尖閣諸島危機における日本に対する無条件の支持や、中国の領有権主張に反対する東南アジア諸国に対する支持に示される通り、米政府はリスクヘッジと関与を組み合わせている。
中国政府の軍事色の強まりは、上り調子の大国によく見られるものであり、国家主義を受け入れる国民の共感も呼ぶだろう。しかし、それにはリスクがつきものだ。中国が国の目標を強引に推し進めることができるとあくまで考えるなら、それは中国と外交的にかかわることをほかの諸国に思いとどまらせ、ひいては、中国の権益に対抗して一致団結する意欲を高めさせるだろう。今回の紛争は中国にとって致命的ではなかったにせよ、次のいざこざの結末はそれほど穏やかなものではないかもしれない。日本は今回ほど迅速に後へ引かないかもしれず、米国が中立を保てなくなり、中国には二つの選択肢しか残されなくなるかもしれない。すなわち、退却して、国内で国民の怒りに火をつけるか、はたまた、真っ向衝突に賭けるかのどちらかだ。
そうしたシナリオを避けることを、中国の軍人・文民双方の指導者は一番に念頭に置くべきだ。今後10年間の安定はそれにかかっている。
(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長。ウォール・ストリート・ジャーナル電子版のコラムニスト)
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