山椒の幼苗
うまくピントを合わせられなかったので不鮮明ですが、写真中央に尺取虫がのけぞるように突き出ているのは、山椒の、少し伸びた葉芽です。長さは数ミリ。こんな小さいなりでも、両掌に挟んで叩くと強い香りを放つはずです。
写真の左側にぶれて写っているのは、小葉性のイロハモミジに違いないと思います。亡妻はこれを「高雄モミジ」と呼んで好んでいました。「高雄」とは、京都市の高雄のことです。
いずれも、京都市山科盆地を南流する安祥寺川の上流にある後山階陵(のちのやましなのみささぎ)で採ってきたものです。
安祥寺川起点
後山階陵は、さらに上流の草深い山中にあります。
後山階陵は、藤原 順子(ふじわら の のぶこ、大同4年(809年) - 貞観13年9月28日(871年11月14日))の墓。
近くの琵琶湖疎水のほとりには、順子皇太后の発願により建立されたという安祥寺があります。篤い信仰心の持ち主だったのでしょう。
採集してきた、山椒とモミジの苗は、拙宅のベランダ大苗圃園に仮植しました。
目下、これらの頼りなげな姿に慰めを得ています。