妻はここ数日ほとんど同じ様子です。悶えるように苦しんでいるかと思えば、急におさまって、訪問客とだいたい普通に会話できる時間があったり、「あつい」と言った次の瞬間に「さむい」と言ったり、とにかく何もかもが安定していません。本人でないと、末期がんの苦しみは分からないものなのだと思います。もちろん私も、想像もしていませんでした。
そんな中、今日は弁護士と知り合いの青年が動いてくれて、妻本人が出向かなくても土地事務所での登記変更ができました。昨日書きましたが、土地ではなくその上に建てた家の権利を私にするという変更登記です。
妻はいま歩けないし、車に乗せるのも大変な状態なので、登記変更の意思確認のために事務所の担当者が自宅まで来てくれるという話でした。結局それは実現せず、代わりに私たちが住んでいる地区のプーヤイバーン(村長さん)が自宅に来て意思を確認するというプロセスが入りました。いかにもタイです。
ちょっと考えてみれば、遺言書の内容を生前に実行するというのは、違和感はあります。多分、弁護士はできることはすぐにやってしまおうとしたのでしょう。その方が手続きが簡単なのかもしれません。車の名義変更も明日の予定なのです。
さて、妻の看病・介護をするなかで、今一番大変なのはトイレです。何しろ両足の力がほとんどないので、抱えて移動させなければなりません。大したことはなさそうですが、実は妻の場合は右腋に癌でできた大きな傷があるので触れないのです。ですから、一人が左わきだけを抱えて動かさなければならないのです。経験のある方は分かると思いますが、足の力がまだ少しある人を動かすのは簡単です。でもほとんどゼロに近い人の場合は大変です。妻の体重の問題(今は65キロ)もありますけど。
そういうわけで、妻が寝ている場所からトイレまでの移動は、2人でも大変な大仕事です。それで、みんなで相談した結果、きょう椅子式の簡易トイレを買ってきました。後始末は面倒ですが、体を大移動させるのに比べれば、寝ている(座っている)場所の近くに簡易トイレを持ってくれば、移動距離はほんの少しになって楽です。それでも最低大人2人が協力しなければなりませんけど。
このような状態になってからまだ2週間。ここは日本でなくてタイです。妻の親戚が3人もいてくれるから、私はあまり寝られないということ以外は、楽をさせてもらっています。椎間板ヘルニアをやってるので、力仕事をさせてもらえないのです。今いてくれる親戚は「仕事があるから」とか「疲れたから」とかと言って帰る人はありません。それがタイです。妻の人柄のせいかもしれません。
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実は、私の妻も昨年末の緊急入院以来、難病で数年単位の長期戦に突入しております。一番つらいのは妻ですが、一緒に暮らしてきた者としても本当につらいところであり、貴兄のお気持ちは痛いほどよく理解できる気がいたします。
貴ブログには、タイの皆さまに対するイメージがガラリと変わるほど優しさのある方々がいっぱい登場します。ご一家の長年の積善のなせるわざであることでありましょう。
お互いに医学の進歩を信じて、できることはすべて尽くして支えていきましょう。
色々、大変ですね。
私の妻もうさぎ様の奥様と同じように、世話好きで、話の好きな人で周りからは、いい人だったとよく言われました。ほんとに、人ごととは思えない気がしています。
そうですね、今うさぎ様は、一番頑張っておられるのですね。眠いの良くわかります、私は兄弟、親戚の手伝いが無かったので、すべての事を私と子供たちと病院の看護師さんとでやりました。痛みが減るようにマッサージを何回もしました。奥様お幸せですよ。
何しろ更新がなかったのでコメントしようもなかったですね(笑)。
そうですか、奥様がご病気になられたのですか。その事実は逃れようがないですから、ご自分にできる最善をつくしてあげてください。私は決してよい夫ではありませんが、何が起きても逃げることだけはしてきませんでした。
私たちを支えてくれる人たちには感謝、感謝です。
昨夜は、私をひとりで休ませるために妻が入院したようなものです。本当にそうなのかもしれません。おかげで、本当に久しぶりに6時間も眠ることができました。妻は病室で一睡もしなかったそうです。今は妻が熟睡6時間目に入ってますが。