空師という職人を聞いたことはあるだろうか。
この空師という仕事を78歳の男性が現役で続けている。
空師とは、高い木の上にある枝や幹を切り倒す職人のことを指す。一見、木を根元から伐採する林業となんら変わらないと思われるだろうが、周囲の状況によっては、上から順々に細かく木を伐っていく方法が推奨される場合もある。
それは、切り倒したい木の近くに建物や構造物がある場合だ。
建物を傷つけずに木を伐り倒すことは、非常に神経を使う。人命(職人の命)に配慮するだけでなく建物にまで目を配らないといけないからだ。また、空師が請け負う場所は神社仏閣、民家の近くに生えている木が多いため、依頼者によっては木に対し特別な思いを持たれている方も少なくないという。出来れば、切り倒したくないが木が寿命を迎えるため致し方なく。あるいは、大木が腐っていていつ倒れてくるか分からない場合は、早急に木を切り倒す必要性もある。時として、空師は木の所有者と密に調整しながら訳ありな木を切ることもあるのだ。
このような熟練した技術を持つ「空師」も減ってきており、今では日本で約30名しかいないと言われている。
木を伐る方でも、林業従事者、空師とさまざまな職人がいることを忘れてはいけない。
これからも、森林に関わる仕事の魅力が全国の方に届くことを願って、私はこれからも発信し続けていきたい。