Iwaoのタルムード 事実は小説より奇なり

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どうして傾聴力が大切なのか3 

2020-11-02 14:58:58 | 井戸から出た蛙 大海を見る
傾聴の「3つの段階」

一口に傾聴と言っても、その「聴けている」度合いは異なります。傾聴には3つの段階があります。

レベル1「内的傾聴」


内的傾聴とは、相手の話を聴いてはいるものの、意識が相手ではなく自分に向かっているような聴き方です。相手の発言が自分にとってはどのような意味があるのか、自分の考えや気持ちに聴き手の意識は向いています。話し手ではなく自分自身にスポットライトが当たっている状態であるとも言えます。


レベル2「集中的傾聴」


集中的傾聴とは、相手の話にしっかりと意識の焦点を当てるような聴き方です。好奇心や集中力が高まり、話の内容だけではなく、体の使い方や表情の変化、間のとり方や感情の揺れ動きといった、様々な情報を読み取ることができます。集中的傾聴が行われているときは、お互いの姿勢が自然と前のめりになっていたりします。聴き手自身ではなく相手にスポットライトがあたっている状態とも言えるでしょう。

レベル3「全方位的傾聴」

傾聴への集中力が高まると感覚が研ぎすまされ、自分と相手だけでなく周囲の空気感や雰囲気などの「場」にも注意を払えるような状態になります。これが「全方位的傾聴」です。

傾聴とは、このレベル3の「全方位的傾聴」とレベル2の「集中的傾聴」を行ったり来たりするような状態を意味します。集中力が低下すると、レベル1の「内的傾聴」状態に戻ります。レベル1の状態に陥っていないか、時々自分自身を観察しながら傾聴できると良いでしょう。



傾聴に必要なスキル、技術


傾聴を行う上で必要となる基本的なスキル、技術について解説します。



態度と姿勢

傾聴を行う際には、話し手に対し「私はあなたの話に好奇心があり、集中して聴きたいと思っている」というメッセージを、態度と姿勢をもって伝えなければなりません。傾聴の姿勢としては、相手の顔や目を見て、表情は柔らかく、姿勢としては前のめりに近い状態になります。ですが、不自然にそのような姿勢を作ると、かえって相手の警戒心や緊張感が高まってしまいます。はじめは無理に傾聴的な姿勢を作ろうとするのではなく、「自分がリラックスした状態であるか」「高圧的な姿勢をとっていないか」の二点のみに絞って注意すると良いかもしれません。



陥りがちな落とし穴と対策

傾聴を行う上で陥りがちな落とし穴とは何でしょうか。その対策も含めて解説します。
信頼関係ができていない

そもそも相手が話をしたいと思えるような関係性が構築できていないケースがあります。日頃から雑談のような簡単なコミュニケーションを重ね、傾聴の前提となる人間関係を育む必要があります。



自分自身の先入観や感情を捨てきれない


傾聴を行う際には、相手の持つ考えや感情を理解し、共感する姿勢が必要となります。自分自身の先入観や感情は横に置いておかなければなりません。内的傾聴状態に陥っていないか注意しましょう。

求められていないのに意見や提案を述べる

よくある失敗にとして、相手から求められていないのに、自分の意見や提案を述べてしまうことが挙げられます。特に経験のあるマネージャーが、経験の浅い部下に対して行いがちなケースです。指導や教育のフェーズとしては有効なこともありますが、傾聴に関しては相手からの信頼を損なう行動です。傾聴することに集中しましょう。



まとめ
• 「傾聴」とは「耳を傾けて熱心に話を聞くこと」。相手の気持ちに寄り添って、注意深く共感的に「聴く」ことを意味する
• 信頼関係の構築、コミュニケーション不全の解消、営業力や交渉力の向上といった効果がある。また、人と多く接する人事や管理職にこそ必要であるとも言える
• 態度や姿勢などスキルは色々あるが、大事なのは相手への好奇心とリラックス。時々自分自身の状態を観察しながら聴こう

インナーゲーム紹介1

2020-06-01 12:53:47 | 井戸から出た蛙 大海を見る
インナーゲーム紹介1




インナーゲーム(inner game)とは、勝負において、競技者の外側の世界で実際に行われるアウターゲーム(outer game)に対して、競技者の心中で行われるもうひとつの勝負のこと。

テニスコーチのW.ティモシー・ガルウェイ(W. Timothy Gallwey)が、レッスンを通して考案し、1974年に著作 "The Inner Game of Tennis" の中で発表した考え方。ガルウェイは、心の中のインナーゲームに勝つことが、アウターゲーム(実際の勝負)に勝つための近道であると説く。テニス競技において発案されたものだが、現在ではスキーやゴルフなど他の多くのスポーツの上達にも適用可能であるとされ、さらに音楽演奏や、会社での仕事に対しても有効であるとして数々の書物が出版翻訳されている。

またコーチング技術にも取り入れられている。思想内容に禅の影響を指摘する声もあるが、ガルウェイ自身は単純にテニスのレッスンの中で見つけたことに過ぎないとはっきりと否定している

セルフ1とセルフ2


ガルウェイは、競技者の心中で行われるインナーゲームにおいて、二人の自分がいることを見出し、それぞれセルフ1、セルフ2と命名してその性質を調べた。実際の勝負(アウターゲーム)の最中に多くの人は、心の中で自分自身のプレイに対して悪態をついている。
ガルウェイは、これを「セルフ1がセルフ2を非難している」ととらえた。

フロー体験またはゾーン体験、ピークエクスペリエンスなどと呼ばれるような、高度な集中力が発揮されている場面では、このようなセルフ1によるセルフ2への非難は沈静化し、セルフ2のもつ潜在的な学習能力と創造力がのびのびと機能する、というのがインナーゲームの考え方である。







セルフ1



インナーゲームにおいて、すなわち心の中で、自分(セルフ2)に対して悪態をついているのがセルフ1である。
セルフ1は、常にセルフ2の能力を信頼しておらず、命令を下す。
そして結果に対して裁判をし、「判決」を下してセルフ2を非難をする。このようなセルフ1の働きは、セルフ2の働きを著しく妨害している。
しかしセルフ1自体は何も実行することがない。
セルフ1による妨害に気づいて、これを自ら非難したり、自ら阻止しようとしても、それもまた自らに対する非難であり、セルフ1に他ならないため、かえってセルフ1の勢力を増長させることになるため、きわめて厄介である。

セルフ2



インナーゲームにおいて、すなわち心の中で、セルフ1によって非難されている側がセルフ2である。
セルフ2は無意識的あるいは潜在的な身体能力をすべて含んでおり、実際の運動機能を司っているとされる。
セルフ1はつねに言語によってセルフ2に命令を下すが、実際にセルフ2が果たしている機能は常にもっと複雑であり、セルフ2はセルフ1による言語命令をうまく理解できないため、常にこの命令は不本意な結果に終わりがちである。その結果に対して、セルフ1はセルフ2をさらに非難し、次なるより厳しい命令を下す、という悪循環に陥る。





どうして傾聴力が大切なのか1

2020-06-01 12:52:05 | 井戸から出た蛙 大海を見る
どうして傾聴力が大切なのか1








    
傾聴

ビジネスの世界でコミュニケーションスキルはとても重要です。コミュニケーションと聞くと伝えることに焦点を当てがちですが、むしろ大切なのは聴く力です。



傾聴とは?

「傾聴」という言葉を辞書で引くと、「耳を傾けて熱心に話を聞くこと」とあります。もともとはカウンセリングにおける技法で、相手の気持ちに寄り添って、注意深く共感的に「聴く」ことを意味します。臨床心理学における「傾聴」は英語で「active listening(アクティブリスニング)」と言います。


「active listening(アクティブリスニング)」は「積極的傾聴」とも言われ、相手の話にしっかりと耳を傾けることで真意を引き出して理解することを指す言葉です。

「きく」には3パターンある

「きく」という行為は3つのパターンに分けられ、漢字で書くと違いがよくわかります。 3つの漢字とは、「聞く」と「訊く」と「聴く」の3つです。



「聞く」

一般的に広い意味で使われる言葉ですが、辞書では「音や声を耳に受ける。感じ取る。」とあるように、正確には「聞こえる」という方が近いニュアンスです。つまり、特に意識せずに音や言葉が自然に耳に入ってくる状態で、英語では「hear」に該当します。

「訊く」

辞書では「たずねて答えを求める。問う。」とあります。持っている疑問を明確にするための行為で、相手の話をどんどん深掘りして、答えに迫るために質問することです。もっと極端な言葉を使うと「尋問」や「詰問」という言葉が当てはまるかもしれません。

「聴く」

辞書に「心を落ち着け、注意して耳に入れる」とある通り、意識して耳を傾けることを指し、これが「傾聴」に該当します。音楽鑑賞の他、スピーチや講義を聴くという場合にも用いられます。英語で言うと「listen」です。




漢字が表す「聴く」の意味
「傾聴する」という行為を理解するには、漢字を見ると一目瞭然です。「聴」という漢字には、「耳」「目」「心」という3つの文字が組み合わさっています。つまり、「耳だけでなく、目と心を併用してきく」ということを示す言葉と理解するとよいでしょう。 具体的には次のようなポイントが含まれます。
• 1.耳できく 相手の言葉に耳を傾けて最後までしっかりと聴く
• 2.目できく 表情やしぐさ、声のトーンなど話している相手の様子に注意を払う
• 3.心できく 相手の言葉を理解して受け止め、相手の真意や感情に寄り添って共感する






どうして傾聴力が大切なのか2

2018-06-10 19:20:21 | 井戸から出た蛙 大海を見る
3つの「きく」を使い分けよう




周囲の人とのコミュニケーションをうまく取るには、「聞く」「訊く」「聴く」のそれぞれの意味を理解して、使い分けることがポイントです。この法則はビジネスでも当てはまります。

傾聴力が必要な理由


傾聴というと心理カウンセラーやプロコーチといった、特殊な職業の為のスキルのように思われるかもしれません。ですが、傾聴力は社会人基礎力の一つとも言えるほど広く必要とされるコミュニケーション能力です。ビジネスシーンにおいて、傾聴力はなぜ必要なのでしょうか。
信頼関係の構築
傾聴力は、相手と信頼関係を構築するために必要な能力です。ビジネスの場では、意思疎通を図る、論理的かつ端的に伝える、説得や交渉、折衝を行うと言ったコミュニケーションスキルが要求されます。これらのコミュニケーションスキルの根幹となるのは、相手の人となりや考えを理解する傾聴力です。相手の考えや気持ちを的確に読み取れるからこそ、良好な人間関係を構築することが可能なのです。



営業力や交渉力の向上

傾聴力が優れていると、相手との会話の中から顧客ニーズを引き出すことができるようになります。相手の考えに寄り添い共感して意見を探ることで、何を求めているのかを理解できます。その結果、的を射た提案ができるようになるため、売り上げや業績アップにつなげることができるでしょう。
コミュニケーションの失敗を避ける


近年は職場における人材の多様性が増しています。価値観やバックグラウンドが異なるメンバーと共にプロジェクトを推進していく中で、コミュニケーションの失敗による問題や障害の発生が散見されます。勘違いや誤解から指示が伝わらずやるべきタスクが上手く実行されなかったり、相手の感情や思考が理解できず不信感が募ってしまったりと、様々な問題が発生しています。このようなコミュニケーションの失敗を回避するには傾聴力の向上が有効です。傾聴力を高めることで、誤解や勘違いを解消し、相手の考えや指示内容をより的確に理解できるようになります。



人事や管理職にこそ傾聴が必要


社員の話を聴く機会が多い人事や管理職にこそ、より傾聴力が重要であると言えます。若手や中堅層は、自分の意見が上司や経営側に届いている、受け止められていると感じられた場合にモチベーションが高まる傾向があります。部下の話を傾聴することは、信頼関係の構築と人材育成に大きく役立ちます。部下は自分の話をきちんと聞いてくれると感じることができれば、上司に対して信頼を置くようになります。


また、昨今は人事や管理職の仕事において、メンバーの持つ能力や創造性を発揮させる施策がより重要視されるようになってきています。具体的には、「コーチング」や「エンパワーメント」、「パフォーマンスマネジメント」といったスキルや考え方が挙げられます。これらの共通点として、相手の感情や思考を的確に理解し受け止める「傾聴」を行うプロセスが必ず存在します。傾聴は人事や管理職にとって重要なベーシックスキルとなりつつあるのです。


傾聴の効果
傾聴にはどのような効果があるのでしょうか。
相手の考えが理解できる
傾聴は、聴き手の思い込みや判断を横に置き、相手の話に集中して聴くことを意味します。通常の聴き方では気がつかなかった相手の考えや感情が理解できるようになります。
良好な人間関係が築ける
誰しも自分の話を真剣に聴いてくれ、理解してくれる人のことを悪くは思わないでしょう。傾聴は良好な人間関係の構築にもつながります。
相手の自己重要感が高まる
傾聴を行うことにより、相手の心理的充足感が高まります。傾聴は相手の承認欲求を満たし、自己重要感を高める効果があります。
現状を俯瞰的に整理し、新たな気づきが生まれる
傾聴してくれる聴き手がいることで、話し手は現状を俯瞰的に整理することができます。結果、現在抱えている問題について、聴き手が何も助言をしなくても話し手が何かに気づき、新たな行動が生まれることがあります。