桜庭支配人の現場一直線 第六話
<登場人物>
桜庭支配人~ このシリーズの主人公。
株式会社アジア開発 入社2年目の新人にして現場の支配人の辞令を受けた。
35歳 結婚式場の責任者の経験はまったく無く、営業の経験も無い。ないない尽くしで自信もないまま 指導を受けて独り立ち上がる。
河野俊一~ 隣町の結婚式場の支配人。同じアジア開発の社員で、やはり支配人として人材派遣された。桜庭より1年早く入社して現場に配属されいた。30歳。
後藤部長~ハートロード結婚式場の営業部長。営業部10年目。現場のたたき上げで
規則を守ることに厳しい。現場の鬼と呼ばれている。32歳
石原とよ~ バンケットマネージャー。ハートロード結婚式場の創立メンバーで、地元の顧客には顔きき役。親分肌で面倒見もよく、影のボスといわれている。52歳。
白石庄平~地元の生命保険のトレーナーで引退後も後輩の面倒を見ながら研修会に参加している中で桜庭と出会う。72歳。
大林友子~ハートロード結婚式場の専務婦人。フロント予約課課長。
内田悟~ハートロード結婚式場営業部課長代理。
柏崎理恵~ハートロード営業課長で最古株社員。営業の実力ナンバーワン。
小森友和~ハートロード結婚式場営業部主任。
・立ちはだかる心の壁
桜庭はバンケットの婦人たちに しばらくバンケットの仕事を手伝いながら
どんな苦労があるのか体験することを約束し、次の日からは 午前中だけ営業に出て
午後からはバンケットと厨房でその日の宴会や結婚式の準備を手伝い、宴会のサービスも一緒にやった。
昼ごはんは厨房で作り、営業マンも昼食時には帰ってきて厨房で15名ほどの社員が
一緒に食事をしていたが、その食事当番も買って出た。
おのずと午前中もだんだん営業に行く時間が無くなり、掃除やメンテナンスまで一緒にやっているうちに、ほとんど一日中 式場の中で仕事をするようになってしまった。
1ヶ月ほどこんな状態が続く中、厨房の調理長や男性スタッフとは徐々に心が通じてきて何でも言い合えるようになってきたが、バンケットのベテラン女性社員とは、なかなか打ち解けることが出来なかった。
桜庭支配人が2階の宴会場の横にあるスタッフ控え室に顔を出し、ビンを拭いたり掃除を始めると、いつの間にかみんな別の部屋に行ってしまっていたりした。
「バンケットのベテラン婦人社員たちと 心の壁をなくするには 何かいい手立てはありませんか。」
たまらずに 有島副社長に正直に気持ちを訴えた。
「今度 地元の農協とか病院なんかの宴会はいつあるんだ?」
「明後日 日本生命の営業マンたちの研修と宴会が一件、農協の定期総会と宴会が一件入っていますが、、」
「その時 お前が宴会に入ってお酌しながら 名刺を配って挨拶しなさい。さらに バンケットの責任者の石原マネージャーを呼んできて 紹介し、出来たらお酒も少し一緒に飲んでもらいなさい。後日 石原マネージャーと一緒にこの宴会の責任者のところに挨拶訪問に行きなさい。」
「お酒を飲んだら 車でかえるのに危ないと思いますが、、、」
「お前は飲まずに 石原マネージャーを家まで送ってあげなさい。」
「朝は、、、、」
「迎えに行ったら」
「、、、嫌がられると思いますけれど、、」
「嫌がれるんではなく お前がいやなだけだろ。お前が嫌っている限り向こうもお前を嫌い続けるぞ。」
(こ、これも因われにありなのか、、参ったな)
それでも この現状にほとほと困っていた桜庭支配人は 再度腹を決めてその通りにすることにした。
<登場人物>
桜庭支配人~ このシリーズの主人公。
株式会社アジア開発 入社2年目の新人にして現場の支配人の辞令を受けた。
35歳 結婚式場の責任者の経験はまったく無く、営業の経験も無い。ないない尽くしで自信もないまま 指導を受けて独り立ち上がる。
河野俊一~ 隣町の結婚式場の支配人。同じアジア開発の社員で、やはり支配人として人材派遣された。桜庭より1年早く入社して現場に配属されいた。30歳。
後藤部長~ハートロード結婚式場の営業部長。営業部10年目。現場のたたき上げで
規則を守ることに厳しい。現場の鬼と呼ばれている。32歳
石原とよ~ バンケットマネージャー。ハートロード結婚式場の創立メンバーで、地元の顧客には顔きき役。親分肌で面倒見もよく、影のボスといわれている。52歳。
白石庄平~地元の生命保険のトレーナーで引退後も後輩の面倒を見ながら研修会に参加している中で桜庭と出会う。72歳。
大林友子~ハートロード結婚式場の専務婦人。フロント予約課課長。
内田悟~ハートロード結婚式場営業部課長代理。
柏崎理恵~ハートロード営業課長で最古株社員。営業の実力ナンバーワン。
小森友和~ハートロード結婚式場営業部主任。
・立ちはだかる心の壁
桜庭はバンケットの婦人たちに しばらくバンケットの仕事を手伝いながら
どんな苦労があるのか体験することを約束し、次の日からは 午前中だけ営業に出て
午後からはバンケットと厨房でその日の宴会や結婚式の準備を手伝い、宴会のサービスも一緒にやった。
昼ごはんは厨房で作り、営業マンも昼食時には帰ってきて厨房で15名ほどの社員が
一緒に食事をしていたが、その食事当番も買って出た。
おのずと午前中もだんだん営業に行く時間が無くなり、掃除やメンテナンスまで一緒にやっているうちに、ほとんど一日中 式場の中で仕事をするようになってしまった。
1ヶ月ほどこんな状態が続く中、厨房の調理長や男性スタッフとは徐々に心が通じてきて何でも言い合えるようになってきたが、バンケットのベテラン女性社員とは、なかなか打ち解けることが出来なかった。
桜庭支配人が2階の宴会場の横にあるスタッフ控え室に顔を出し、ビンを拭いたり掃除を始めると、いつの間にかみんな別の部屋に行ってしまっていたりした。
「バンケットのベテラン婦人社員たちと 心の壁をなくするには 何かいい手立てはありませんか。」
たまらずに 有島副社長に正直に気持ちを訴えた。
「今度 地元の農協とか病院なんかの宴会はいつあるんだ?」
「明後日 日本生命の営業マンたちの研修と宴会が一件、農協の定期総会と宴会が一件入っていますが、、」
「その時 お前が宴会に入ってお酌しながら 名刺を配って挨拶しなさい。さらに バンケットの責任者の石原マネージャーを呼んできて 紹介し、出来たらお酒も少し一緒に飲んでもらいなさい。後日 石原マネージャーと一緒にこの宴会の責任者のところに挨拶訪問に行きなさい。」
「お酒を飲んだら 車でかえるのに危ないと思いますが、、、」
「お前は飲まずに 石原マネージャーを家まで送ってあげなさい。」
「朝は、、、、」
「迎えに行ったら」
「、、、嫌がられると思いますけれど、、」
「嫌がれるんではなく お前がいやなだけだろ。お前が嫌っている限り向こうもお前を嫌い続けるぞ。」
(こ、これも因われにありなのか、、参ったな)
それでも この現状にほとほと困っていた桜庭支配人は 再度腹を決めてその通りにすることにした。