じょいじょぶろぐん-JOYJOBLOGUN-

JOYJOBメンバー他では言わない自身の秘密?!を毎日更新

誰も行かなければ、誰かが行かなければならない。

2008-07-16 13:13:22 | 旧メンバーブログ
恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館。
そこで『世界報道写真展~2008~』を見てきました。
    (開催:6/14~8/10)

写真展は初めて。
でも、行って本当に良かったと思います。

何がすごいって、有無を言わさず突きつけられる現実。
写真に写されたある瞬間が、今も世界のどこかで起きている。

私が日々考えるのは、自分のことや、周りの人のこと、
住んでいる地域や社会のこと、せいぜい日本の将来のこと。
一方、世界に目を向けてみると、貧困や紛争がたくさん存在し、
日々死と隣り合わせに生きている人達がいる。

その事実を知ったつもりになっている。

でも、本当は何も知らないし、日本は平和だから、
正直なことをいうと、ほとんど他人事だと思っている。
だから、改めて提示されて、それについて考える機会をもつのは
すごく大切なことだと思う。
知らずにいるより、知っている方がいい。

事実から目を背けないで、ヒトゴトだと思わずに受け止める。
地球がまるで一つの家であるかのように。
世界中の人々が自分の家族であるかのように。
全く知らない人や知らない地域のことを考えてみたら。


この写真展では、
「長井健司」さんがカメラに収めた生前のVTRも上映されていました。

彼はミャンマーで亡くなった。
報道のために命を落とした。
私はそのニュースを見て、
「そんな危険な地域に行って…」と正直思っていた。

彼が教えてくれた、紛争やHIV感染にあえいでいる地域の現実。
30分程度の映像に、途中から泣いていた。

世界には、こんなにも理不尽な現実があるのだ。
病気によって短い命を生きる人。
幼い頃に性的暴行を受け、体に心に深い傷を負った人。
紛争によって命を奪われる人。大事な家族を失ってしまう人。

これは負の連鎖なんだ。環境や感情は連鎖する。
虐待を受けた人は、自分も虐待の加害者になる。
憎みあって生きていれば、憎しみばかりが加速する。
誰かに傷つけられたら、自分も誰かを傷つけてしまう。
負の連鎖から生まれる理不尽な現実。
手の施しようのない、先天性の病気もある。
でも、紛争は止めることもできるし、
虐待や暴行も止めることはできる。
人間の起こすことには何か原因があるのだから。

現実に多くの命が奪われ、日々誰かが傷ついている。
それを突きつけられて、悲しさがこみ上げてきた。
エイズなんて、紛争なんてなくなってしまえ。
でも自分は何もしていない…。
果たして「できない」のか「できていない」のか。

もし、
常に周りの人を大切に思って愛していたら。
日々周りに思いやりと感謝の心をもって生きていたら。
周りの人を幸せにしようと心がけていたら。

それは、正の連鎖だ。ハッピーなことが伝染していく。
もしかしたら、友達の友達にも、友達の恋人にも、学校にも、職場にも、道で困っている人にも、日本のどこかにも、海の向こうにも。。。


「何かを知らずに生きる」ことと、「知ってて生きる」こと。

「カメラを通して知る事実」と「実際に自分の目で見る現実」。

その差はとても大きい。
もし悲惨な現実を目の当たりにしたら、自分ならどうするか。

拳銃で撃たれて首と脳が飛び、変わり果てた姿で亡くなった人。
もうカメラには写せない。映像にはモザイクがかかっていた。

彼は、ジャーナリストだ。
時には嫌な目で見られることもあっただろう。
正義感の塊だ、とバカにされることもあっただろう。
それでも、この現実を、日本や世界にいる
ひとりでも多くの人達に知ってもらいたい。

いや、そんな現実を目の当たりにしたら、
知ってもらいたいという願望では済まない。


「伝えなければならない。」

のだ。

そういう真摯な思いに突き動かされていたのだ。
命を懸けてでも、人に伝えなければならないことがある。

誰だって、こういう事実を知ったら、
誰かに伝えずにはいられないんじゃないかと思う。
家族に、友達に、恋人に、身近な人に。

「If nobody goes, someone must go.」
(誰も行かなければ、誰かが行かなければならない。)

VTRの終わりに示されていた言葉。
重みがあった。
長井さんの思いを、少しだけ覗いた気がした。

井の中の蛙、大海を知らず。そんな大人になりたくない。
自分のいる環境だけを見て、
会社や職場で能力や権力を鼻にかけて生きるような
おこがましい人間になりたくない。

私は世の中のことをまだまだ何も知らないのだ。
わかったつもりが一番怖いのだ。

世界報道写真財団(本部:オランダ)の開催する「世界報道写真コンテスト」。
そこから選び抜かれた59人の写真家の作品が展示されていました。

世界中から応募された、80536点の報道写真。
125カ国、5000人以上の報道写真家たち。
彼らは、今日も事実を伝えている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿