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芸術がわからない人へ

2007-04-11 18:34:39 | 旧メンバーブログ

「よく分からないと言われてしまうんですよ。でも、分からないものを見た時、人間は変わることが出来るんです。概念を変えるようなものに接した時、我々はいつもよりもう少し深く自分について考える機会を与えられるんです。現代美術はそのためにあると言ってもいい。」

(『Art Information Magazine article”』2~3頁より抜粋


 
「何の話?いきなり意味がわからない!」と思った方、ごめんなさい。マイは、この前『清里現代美術館』に行ってきました。これは館長の伊藤修吾さんの言葉です。


 
私は今まで、芸術とは距離を置いていました。何を表現しているのかさっぱりわからないし、絵もうまく描けないので、「私とは違う世界の話だな」と決めつけていました。


 この美術館に行ったのも、寄り道ついででしたが、この美術館に行って、館長さんのお話を聞かなければ、芸術を見ることの楽しみを、この先もずっと知らなかったかもしれません。芸術に対する見方が180℃変わりました。カントの言う、コペルニクス的転回です。


美術館には、ヨーゼフ・ボイス、クリスト、ジョン・ケージ、そしてアヴァンギャルド、前衛芸術、と言われるフルクサスや、オノヨーコの作品、さらに、「抵抗の音楽展」と称した音楽が流れています。


 
館内は、すごく居心地がよいです。白を基調として、隠し部屋のような所があったり、扉があったり。白という色は、今までとらわれていたものから自分をリセットしたり、解放してくれるような気がしますね。東京の大きな美術館と比べると、とても日常的です。しかし、日常の中にいて、非日常的な世界を体験することができます。


 
さらに、メロディーではなく、木琴のような音や、何かの擦れる音、人が踊る気配などをおさめた音楽が、とても印象的でした。本当に背後に人がいるようで、怖かった。


 
ドイツ語と哲学を勉強中の私にとって、ヨーゼフ・ボイスがドイツ出身で、ドイツ哲学に影響を受けたということは少なからず興味をひきました。そして、音楽も面白かったので、じっくり観ることができました。音楽展のある美術館はめずらしいそうです。


 
館長さんは、見終わった後に貴重なお話をたくさん語ってくださり、訪れた人に現代美術の素晴らしさを伝えようとしている情熱的な思いが伝わってきました。


 
「好き嫌い」や「わかるわからない」で判断するのではなく、世界のいろんな部分を見ること。いつもとは違う場所、視点から、反対側からものごとを見てみる。普段と同じ行動、考え方、生活をするのではなく、違うところに飛び込んでみる。同じことを繰り返すだけでは、見たつもり、わかったつもりになり、生きたつもりになってしまう。そうすると、近くにいる人のこともわかったつもりになってしまう。そして、私たちはわからないものを見ることで、自分がどこまでわかっているのかを、知ることができる。


 
世界を狭くしているのは、自分だなと反省。「芸術はよくわからない」と考えていた私にとって、館長さんが「わからなくていい」と気づかせてくれたことは、言葉では表せないほど大きな体験でした。


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2 コメント

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芸術といえば・・・ (nori)
2007-04-11 20:40:16
何か一見すごい話のように思えますね。
ノリも芸術というと、ノリの中学校の先生を
思い出します。

ノリの担任は美術教師で、あまり自分は美術が
得意ではないのですが、とても楽しいと思える
授業だったことをよく覚えています。

芸術というと、既成の概念にとらわれるのではなく、
自分の心に秘めたものを表現するように感じますね。

一概に良い、悪いはわからないのですが、
それでも、絵だったり、演奏を聴くことで感じる
感性を大切にしたいと思います。

去年に吹奏楽の定期演奏会に行ったので、今年も
行ってみようと思います。
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Unknown (マイ)
2007-04-17 19:54:42
>芸術というと、既成の概念にとらわれるのではなく、自分の心に秘めたものを表現するように感じますね。

すごいな~。わかってますねえ、さすが作家先生!私の専門の哲学も、既成の概念を剥ぎ取って、確信にたどりつくようなことをやっているみたいなので、その点では芸術とにているのかな~と思います。なかなか難しいですが。
小説第2弾、何を拾ったのかとても気になります…。
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