一生、話をすることはない、と思っていた。
一度でいいから話をしたいと、思っていた。
1979年1月31日のことだった。
ひとつの事件でまったく関係のなかった2本の糸が交わり、
それが解けることもなく、むしろ一層絡まりあい混線したまま、
28年を超える年月が流れた。
その事件とは「空白の一日」というトリックに端を
発したトレードであり、2本の糸は
そのトレードとなった小林選手であり、
江川選手である。
ふたりの野球人生を大きく変えることになった
その事件について、ふたりが言葉を交わしたことはなかった。
お互いが胸のうちに秘めたものを持ちながらも
それを伝える機会がなかった。
言葉にすることもできない想いを胸に沈めたまま、
2007年9月11日を迎えた。
真ん中にいる江川さんがふっと息を吐きながら、
天井を仰ぐ。緊張感が伝わってくる。
小林さんが差し伸べた手を江川さんが両手で握り締めた。
今まで語り合うことのなかったふたりの時間が広まった。
江川 あの事件以来自分の中でずっと続いているんですね。
小林さんとお話しする機会、自分で作れば出来たんじゃないか
と言われたら、そこまでなんですが、なかなか言う場所がなかった。
28年の時の助けを借りるっていうか。小林さんに申し訳なかった
ひとこと言えたらいいな。
小林 (この出演依頼を受けたとき)小林さんがよければ、
と江川さんが言ってますとのことだからOKをしました。
お互い今まで距離を縮めてこなかったから。
かつて1度レストランで2人はお会いしたことがあった。
しかし、江川が謝罪をする機会は作られなかった。
江川 多分、時間的に無理なんですよね、あそこは。
無理だった時間なんですよね
小林 あそこで、もし俺がもっと大人だったら、
もっと、こうやって気軽に話せる仲になっていたかもしれないね。
これはおっせかいかもしれない。しかしながら、お酒と言うものが
出来ると言うことは、人の気持ちをやわらかくし、胸の奥にある
ものにそっと花を添えることではないか。
ものを言葉に出来る機会があったとしたら、ふたりはどんな会話を
交わすのだろうか。それがきっかけで、ふたりの距離に
変化が生まれると言うことではないだろうか。
28年前に絡み合った糸が、同じ空間で同じ呼吸をしている。
激しい雨がやみ、扉を開けると、外はすっかりと暗闇に
包まれていた。
(時を結ぶ 人を結ぶ 黄桜 新聞広告より 要約)
誰にでも、この2人のように離れてしまった人が
いるのではないか。まるで、時間が魔法をかけて
2人を離したかのようであり、2人は
時間によって、また引き戻されたようにも思えた。
BUMP OF CHICKENの新曲
「花の名」にこのような詞があり、
とても心に響いた。
簡単なことなのに どうして言えないんだろう
言えないことなのに どうして伝わるんだろう・・
皆 会いたい人がいる 待っている人がいる
会いたい人がいるのなら それを待っている人がいる
いつでも
自分はどっちなのかなぁと迷ったりもする。
自分から会いに行くのか・それともゆっくりと待ち続けるのか
簡単なようで、難しいものですね
一度でいいから話をしたいと、思っていた。
1979年1月31日のことだった。
ひとつの事件でまったく関係のなかった2本の糸が交わり、
それが解けることもなく、むしろ一層絡まりあい混線したまま、
28年を超える年月が流れた。
その事件とは「空白の一日」というトリックに端を
発したトレードであり、2本の糸は
そのトレードとなった小林選手であり、
江川選手である。
ふたりの野球人生を大きく変えることになった
その事件について、ふたりが言葉を交わしたことはなかった。
お互いが胸のうちに秘めたものを持ちながらも
それを伝える機会がなかった。
言葉にすることもできない想いを胸に沈めたまま、
2007年9月11日を迎えた。
真ん中にいる江川さんがふっと息を吐きながら、
天井を仰ぐ。緊張感が伝わってくる。
小林さんが差し伸べた手を江川さんが両手で握り締めた。
今まで語り合うことのなかったふたりの時間が広まった。
江川 あの事件以来自分の中でずっと続いているんですね。
小林さんとお話しする機会、自分で作れば出来たんじゃないか
と言われたら、そこまでなんですが、なかなか言う場所がなかった。
28年の時の助けを借りるっていうか。小林さんに申し訳なかった
ひとこと言えたらいいな。
小林 (この出演依頼を受けたとき)小林さんがよければ、
と江川さんが言ってますとのことだからOKをしました。
お互い今まで距離を縮めてこなかったから。
かつて1度レストランで2人はお会いしたことがあった。
しかし、江川が謝罪をする機会は作られなかった。
江川 多分、時間的に無理なんですよね、あそこは。
無理だった時間なんですよね
小林 あそこで、もし俺がもっと大人だったら、
もっと、こうやって気軽に話せる仲になっていたかもしれないね。
これはおっせかいかもしれない。しかしながら、お酒と言うものが
出来ると言うことは、人の気持ちをやわらかくし、胸の奥にある
ものにそっと花を添えることではないか。
ものを言葉に出来る機会があったとしたら、ふたりはどんな会話を
交わすのだろうか。それがきっかけで、ふたりの距離に
変化が生まれると言うことではないだろうか。
28年前に絡み合った糸が、同じ空間で同じ呼吸をしている。
激しい雨がやみ、扉を開けると、外はすっかりと暗闇に
包まれていた。
(時を結ぶ 人を結ぶ 黄桜 新聞広告より 要約)
誰にでも、この2人のように離れてしまった人が
いるのではないか。まるで、時間が魔法をかけて
2人を離したかのようであり、2人は
時間によって、また引き戻されたようにも思えた。
BUMP OF CHICKENの新曲
「花の名」にこのような詞があり、
とても心に響いた。
簡単なことなのに どうして言えないんだろう
言えないことなのに どうして伝わるんだろう・・
皆 会いたい人がいる 待っている人がいる
会いたい人がいるのなら それを待っている人がいる
いつでも
自分はどっちなのかなぁと迷ったりもする。
自分から会いに行くのか・それともゆっくりと待ち続けるのか
簡単なようで、難しいものですね
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