ピアノとともに

定年後の再開ピアノ。新たに学ぶ1曲1曲が大事なものになりました。

バッハの楽譜と記憶

2025-01-21 | ピアノ
ブラームスの間奏曲の中間部3声のところで内声を歌うのに苦労したことをきっかけに
昔、シンフォニアをどうやって弾いていたのか今でも弾けるのか気になってきて
バッハの楽譜を本棚の奥から引っ張り出してきました。
正確にいうと引っ張り出そうとしました。

半世紀ほど眠らせたままにしておくと春秋社の楽譜はどうなるのかというと
茶色に変色した箱(ケース)から出せなくなります。
ハコと中身の間に空間がなくなり指が入りません。
中身が膨張しきってパンパンになっているから。

仕方ないので、箱の一部を剝がすようにして何とか取り出しました。
写真の左がハコ、右が中身。
どう考えてもハコの方が薄くて
楽譜の厚みからしてハコに入るわけがありません。
目の錯覚でもありません。
 

中身の楽譜は水分を吸ったわけでもなくキレイでした。
ということは、ハコの方が経年変化で縮退した?
ともあれ、バッハ集4(インベンションとシンフォニア)とバッハ集1(平均律)を救出しました。

 

かつてインベンションとシンフォニアは全曲、平均律は数曲弾いています。
でも、好きな曲が多かったインベンションはよく覚えている一方で
シンフォニアや平均律は、ほとんど思い出せませんでした。
あんまり好きじゃなかったんだっけ? と記憶もおぼつきません。

それが楽譜を開いて眺めてみると
次々にこれもこれも、これもいい曲だった、好きだったなどと思い出して
結局、かなりの記憶が蘇りました。
先生の大胆な書き込みを見ては、その頃の先生の様子なども思い出して
昔の映画音楽がふっと流れてきたかのように、懐かしさが溢れました。
ツェルニーは譜面を見ても記憶ゼロなのに、この違いは何でしょう?

これらを弾いていた時期は、
練習にめざめて人生の中で最も真剣にピアノに打ち込んだ数年間でした。


横断的に楽譜を眺めていたら、たくさん書き込まれた内容の半分以上が
音の上昇時のクレッシェンドと下降時のデクレッシェンド記号であるのに気づきました。
今となっては思い出せないけれど
強弱をうまくつけられなかった? ようです。
自分で音楽表現ができなかったというか。
しかも、ほぼどの曲にも書きこまれているので、学習もできていなかったようです。
そういえば、時々出てきた同時の右手クレッシェンド・左手デクレッシェンド。
フォルテでも下降の基本はデクレッシェンド。
記憶が、かすりました。
 


アンダンテの簡単めな曲を選んで弾き始めて
ハ短調の憂いのあるメロディーに惹きこまれたと思ったら
すぐに難しくなって挫折しました。
それでも、はじめの方は右、左、左右両方のパートのいずれも
中心メロディーになるところを心の中で歌いながら弾けていました。

シンフォニアを(たぶん)まだ頑張れば弾けそうなことがわかって良かったです。


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