阿部サダヲも松たか子も好きな役者さん。
タイトルから想像すると、詐欺しちゃう夫婦だけど、憎めない。
結構騙された方も傷つかない?的なお話を想像してしまったんだけど。
違った。
壊れていく松さんが怖い怖い。
男はやっぱり弱い。
一度生活が壊れると、頭を切り替えるのが男って本当にヘタ。
料理人のプライドなんかより、今の生活費が女にとっては大事なのに。
そのために働いているのに
「おまえはいいよな、なんだっていいんだから」
腹立つー
が、失意の旦那を支えるけなげな妻が一気に変わる
ちょっとだけ夢が欲しいのよ
世の中の寂しい女に対して、かなり上から目線なのは
自分は違うと思っているからなんだろうな
でも最後には、その騙した女性たちはきちんと自分の足で立ってるんだけど。
木村多江さんの存在感は異常。
画面に出ただけで不幸オーラがすごすぎる。
ウチのとーちゃんが家に包丁を持って帰って来た時も
すごく怖かったんですけど、
職人の包丁って、ああいう普通の台所にあると、ものすごい違和感があるのよね。
で、料理人だったら、包丁をあんなふうにまな板の上に置きっぱなしになんて絶対にしないわけ。
危険なのをきちんとわかってるから。
あと言わせてもらえば、洗い物をしないなんてありえない。
きちんと洗って消毒する。これは料理人の性のはず。
貫也はもう堕落しているということなのか、そんなことはどうでもいいのか。
(あたしが気になるところは気にしなくていいところなのか)
鈴木砂羽にお金を返した(倍?)のは里子の意地なんだろうな。
横断歩道でほほ笑んだ砂羽さんへの意地。
あのほほ笑みには意味はなかったんだろうとあたしは思うんですがどうなんだろ。
封筒にお店のはんこ押したのも意地なんだろうな。
子供にあの役を与えたことだけはどうしてもあと味が悪すぎる。
女性にたいしてのとことん意地悪な描写はエグイけどすごいと思うし、
見てるの辛くなったくらい(面白いという意味で)キツイ映画でした。
ご夫婦で見るのはちょっとオススめできません(笑)