空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

星組「My dear New Orleans」「ア ビヤント」

2009-02-28 21:06:39 | 観劇(タカラヅカ)
安蘭けいさんとのお別れに、行ってきました。

とうこさんを初めて見たのは、2001年星組の「ベルサイユのばら」だ。
「オスカルとアンドレ編」のフェルゼン役。
…これが最悪男でねえ(苦笑)
オスカルに対して暴言吐きまくりの。
あ、悪いのは脚本です。念のため。

次が2004年の「ファントム」。
ファントムの恋敵、フィリップ伯爵。

そして、一気に恋に落ちたのは、2006年の「ベルサイユのばら」。
「フェルゼンとマリー・アントワネット編」のオスカル。(東京公演ね)
歌が上手いことはわかっていた。
綺麗なこともわかっていた。
そのオスカルは、リアルに生きていた。
一人の女性として恋をし、悩み、苦しみ、自分の人生を選び取るオスカルだった。
もう、「今宵一夜」から号泣。
バスティーユのクライマックスでは嗚咽していた。
うん、泣かされた。

それから過去作品を映像で見たり(1996「エリザベート」2003「王家に捧ぐ歌」)
生の舞台でときめいたりして(2006「愛するには短すぎる」)
何だろう、私にとっては、いてくれるのが当たり前の人だったんだろう。
とってもとっても実力のある人だから、安心して見ていられる。歌も、演技も。

退団発表だって(タイトルで予想はしてたし)冷静に受け止めた。
安蘭さんは辞めちゃっても、きっと歌い続けてくれるだろう。
私は「男役」としての安蘭さんにこだわるわけじゃない。
舞台人として、活動を続けてくれていればそれでいいさ。
何か、そんな風に感じていた節がある。
だったんだけど。

【My dear New Orleans―愛する我が街―

うーん。
あざとい、とは聞いていたんだけど。
まんまと号泣。
ええい、ずるいわ!
そんな感じ。
周辺も最後らへんはすすり泣きの嵐だったし。

あ、私の涙腺決壊ポイントは、和涼華くんの「俺も、この街を出て行くよ」でした。
そうだね、あなたもやめちゃうんだったね…(涙)(そこかい)

ああ、同じく退団者の立樹遥さんのタキシード姿の美しさにも泣けました(そこかい)

ストーリーはな…主役カップルの悲恋だけでも辛いのに、仲間の死のエピが重すぎてな…
でも、嫌いじゃないですよ。
小さな幸せ→人生の全肯定。
この流れは。(逆は駄目。)

そして何より、テーマである「音楽の力」を強く感じられたから。

どこかで聞いたことのある励ましの言葉でも。
安蘭けいの歌声で、その言葉が力を持つ。光を放つ。
どこまでもどこまでも、体の奥底まで沁みわたっていく。
ルルが救われた歌声。
私を解き放ってくれる歌声。

ラストシーン、白いコートを羽織って去っていく安蘭さんを見て、
涙があふれ出した。

行かないで。
行っちゃ嫌だ。

退団発表を聞いてから、初めて。
その喪失の大きさに、震える。

あなたが、好きだった。
当たり前すぎて、気付かなかったぐらいに。


【ア ビヤント】

えーっと。
芝居に引き続いてこっちも。
ずるいわ!
というぐらいに、「泣かせ」にかかる藤井ショー。
上手いなあ…

こっちも、最初に泣いたのは。泣かされたのは。
…和涼華のバカ。
何でやめちゃうのよバカバカ~~~(そこかい)

他の退団者も見せ場多いし(麻尋くんのソロに涙)
演出もいちいち退団仕様でねえ…

そしてやっぱり盛り上がる藤井ショー。
「全編フィナーレみたいやったわ」(by母)
まあ、ずっと「アビヤント!」「またね!またね!」連呼だったからなあ。
でも衣装も全部綺麗で(カンカン衣装かわいい! 何故か登場するラテン風衣装も素敵!)
ちょっとだけ「すみれの花咲く頃」とかちょっとだけ「モンパリ」とかも好きでした。

皆でお見送り→遅れてきたあすかちゃん→デュエットダンス→黒燕尾群舞
の流れは、ずるいよなあ…

結局ショーでも泣きまくり。
行かないで。
終わらないで。

でもね。
柚希礼音くんが、ショーでとってもとっても素敵だったので。
安蘭さんのいなくなった星組も見ていきたいな、と、そう思えたのです。

そういう意味でもいいショーでした。

過ぎ去っていく「今」への哀惜と、来たるべき「未来」への希望を抱きしめて。
安蘭さんを、見送る。
遠野さんを、見送る。
立樹さんを、和さんを、麻尋さんを、退団者を見送る。
またね!またね!
また必ずどこかで、逢いましょう。

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