映画 モアナと伝説の海2
小さい女の子向けの映画で、幼稚園に行ってる年代の子やせいぜい中学生の女の子に混じってこれを見た。ディズニーは重大なメッセージをかわいいニワトリなどのキャラクターを使いながらこの映画に乗せているとみられる。
南洋であるから、飢饉とかはなさそうである。伝染病も映画では描かれていない。何もないのにモアナは冒険に乗り出すのである。若い女の子にとって冒険そのものがイイこと当然やらねばならないことと描かれている。どうも変である。このままでは食えなくなるとか、現状維持がむつかしいとかの事情がないのである。または、せめて十分食えているが家族のまたは村の衆との人間関係が悪くなってというのもない。(十分食えているなら普通は危ないことに乗り出さないで人間関係の修復に意を注ぐはずである。)
さらにおかしいのは、女の子が中心になりせいぜいが数人で乗り出すのである。ふつうは冒険に乗り出すのはいよいよ食えなくなった大人数がだれかリーダーを決めてその指導者の知見または勘にすべてを託してそれに従って乗り出すはずである。大抵は寒い地域で起こる現象であるはずである。モアナの住んでいるところなら、かつを漁にでて黒潮に乗って北の方へ流されてというのはあるかもしれないが自ら進んでというのはないと思う。
「女の子は必要なくても冒険に乗り出すべし」というのがこの映画に込められたメッセージである。私はこれに反対である。男女にかかわらず、必要のない冒険に出ることはない。必要な範囲で出ることは、人生の幅を広げるから、必要でかつ幅を広げるにちょうどというところに落ち着かせないといけない。
楽しくて音楽の優れた映画である。よくここまで優れた映像を作れると感心する。しかしここに乗せられたメッセージは過激すぎるのではないか。