退職後をどうするのか全くイメージが掴めていなかった3年前の63歳、そんな時に思い起こしたのが私の青春時代、20歳の北海道の旅。
その旅は北海道周遊券(旧国鉄)での気ままな20日間の若者の冒険旅行でしたが、今度の人生再出発の旅はオートバイで行こうと思い立った次第です。
早速、オートバイ免許取得を目指して自動車学校を申し込む。
周囲からは「年寄なんだから…危ないから…バカなこと…」など猛反対があったものの、「バイク乗りは男のロマン…ボケ防止に効く」などと変な理屈で強引に押し切り、無事に大型2輪免許を取得。
その後、バイク購入、運転習熟のツーリング、旅情報収集など着々と準備、
いよいよ5月31日に舞鶴港へ向けて、いざ出発!
5月31日: 出発の日
早すぎるけど…自宅(大阪)を11時30分に出る。
ODOメーターは10508(km)
舞鶴港の出航時間は6月1日の0時30分なのだが…夜間走行を避け日没前の到着を目指す。
高速道路を使わず、亀岡市へ出て9号線⇒27号線をのんびりと走るが、それでも時間が余る… 早々と舞鶴へ到着!
フェリー乗船手続きを済ませたが、乗船の23時30分まで、まだ7時間も…
とりあえず…舞鶴の見どころを巡ることにする。
まずは五老スカイタワーへ向かう。
16時14分、五老スカイタワー
¥200を支払い展望台へ上がると、舞鶴湾が一望できる絶好のビューポイントでした。
16時45分、まいづる知恵蔵
バイクを市政記念館の駐車場へ置き、赤レンガ倉庫群を抜けて、海岸沿いに海上自衛艦を眺めながら散策…
まだ日没まで時間があるので、バイクを駆って引き揚げ桟橋へ行くことにする。
17時20分、引き揚げ桟橋
「岸壁の母」の歌で有名な終戦時の歴史スポットです。
記念館の横の丘
記念館は残念ながら受付時間が過ぎて入館できなかった。
この後は日没まで港の周辺をぶらぶら…以後はフェリーターミナルの待合室でひたすら時間を過ごす。
↓↓
乗船まであと30分…
23時過ぎ頃
待ちくたびれた~! 早く乗船してビール飲みたいし風呂に入ってゆっくりしたい。
6月1日:長い船旅(舞鶴港発0時30分⇒小樽港着20時45分)
8時過ぎに起床、まずは朝風呂に入る。それ以後からは朝昼の食事の他は何もすることがない。
船内をウロウロしたり、オープンデッキからただ海を眺めるだけ…午後にもう一度風呂に入る。
20時間15分の船旅は長すぎ~。
夕暮れ時にフェリーの進路が東向きに変わった。小樽港はあと少しです。
19時55分
船尾から夕日が見えた。
20時03分
積丹半島の神威岬が見えた。いよいよ北海道へ上陸!
6月2日:小樽から富良野へ
前日のホテル到着は21時を過ぎてた。翌朝に小樽運河を散策してきました。
朝の小樽運河
この後は札樽自動車道⇒道央自動車道⇒滝川IC⇒芦別を走って富良野へ到着です。
アスパラの畑
広いネギ畑
至る所に広がる牧草地
大雪山系に連なる十勝岳
今も噴煙をあげています。
この後、富良野盆地をバイクで走りまわって宿の「富良野ユースホステル」へ入る。
6月3日:富良野⇒美瑛⇒旭川⇒サロマ湖⇒網走
朝、富良野YHから富良野盆地を眺めながら散策しました。
富良野盆地の朝の風景
この後、国道237を美瑛へ向けて走る。
美瑛では壮大な丘陵地が広がる風景を巡ってきました。昔、テレビコマーシャルで使われたビューポイントです。
マイルドセブンの丘(専売公社のタバコ)
ケンとメリーの木(日産スカイライン)
親子の木(小さな木が真ん中にある3本)
この後、国道237を旭川、国道40⇒旭川紋別自動車道⇒国道333⇒国道242⇒国道238と走ってサロマ湖へ出ました。
サロマ湖展望台より、網走方向を望む
国道238から道道76美岬ラインへ左折、能取湖沿いに能取岬へ向けて走ります。
能取岬灯台
そのまま道道76を網走へ向けて走り、今夜の宿泊地の「流氷の丘YH」に向かいました。
6月4日:網走から斜里⇒宇登呂⇒知床峠⇒羅臼
網走からオホーツク海沿いに国道244を斜里に向けて走る。
左側は海沿いにJR釧網線、右側は濤沸湖、果てしない広がりです。
右に濤沸湖、左はJRとオホーツク海
オホーツク海を背に濤沸湖を望む
海側からJR釧網線の小清水原生花園駅、国道244、その向こうが湯沸湖。
斜里で国道244から国道334へ入り、海沿いに知床半島を走ります。
オシンコシンの滝
観光バスで駐車場がいっぱい… 撮影ポイントではカメラを構えた人で大混雑… 。
宇登呂崎を望む
知床横断道路手前の道の駅へ立ち寄り、観光ポイントの情報を確認する。
道の駅 ウトロ・シリエトク
さすがに世界遺産だけあって、ここにもたくさんの観光バスが…
この後、道道93を知床五湖へ…と思ったがパス。知床横断道路を知床峠へ向かう。
知床峠にて、羅臼岳をバックにパチリ
国後島の方角_羅臼へ下る方向
羅臼の宿にチェックインの後、半島の行けるところまで道道87を走ってみる。
この下の海岸に露天風呂(相泊温泉)が…
最北東端の露天風呂
できればお湯に浸って見たかった。
でも…脱衣所も無い。手を浸けてみたところ、ちょっと熱めのお湯加減でした。
これより先に道が無い
さっきの温泉から約800m先で道路は行き止まり。これより先は徒歩ですが、「熊に注意!」の看板が…
羅臼港より望む羅臼岳
羅臼に戻り羅臼漁港を散策。港の堤防から羅臼岳がきれいに見えました。
6月5日:羅臼から標津町⇒中標津⇒標茶⇒摩周湖
国道335を海沿いに南下、野付半島へ…と思ったが今回はパス。
標津町から国道272⇒国道243を弟子屈町の摩周湖へ向けて走る。
国道243の標茶町辺り
この地点は、裏摩周展望台へ行く時にもう一度往復することになった場所です。
摩周湖第一展望台より
霧のない摩周湖です。くっきりと見える摩周湖もなかなかの景色でした。
摩周湖第三展望台より
第三展望台から摩周湖を眺めて、後ろを振り向くと硫黄山が遠くに見下ろせます。
硫黄山
摩周湖の第三展望台から硫黄山へ来ました。
この後、来た道を後戻りして摩周湖を左回りに裏摩周展望台を目指します。
国道243⇒標茶町辺りで左折、農道(北25号)⇒道道150を走り裏摩周展望台へ…
裏摩周展望台にて
裏摩周展望台から見た摩周湖
裏摩周展望台からは、もと来た道を摩周温泉へ、そのまま国道243を走り美幌峠を目指します。
美幌峠
この方角の屈斜路湖の向こうに硫黄山、川湯温泉、摩周湖が位置します。
美幌峠から屈斜路湖を見る
峠から360度見渡せる…寝っ転がっていつまでも眺めていたい素晴らしい景色です。
この後、今夜の宿泊先の摩周湖YHへ…
6月6日:阿寒湖、オンネトー湖⇒帯広へ
阿寒湖へ行く途中の国道241脇に展望所があります。
展望所"双岳台"からは雄阿寒岳(標高1370m)が正面に見えます。
雄阿寒岳
ペンケトー湖とパンケトー湖
この後、国道241は240と一緒になりますが、阿寒湖温泉を通り抜け国道241をオンネトー湖に向けて走る。
オンネトー湖
オンネトー湖の雌阿寒岳登山口近くの"オンネトー茶屋"で食べたお昼は「ラワンふき定食」
フキの漬物3品、煮物、胡麻和えの計5品のフキ、汁とご飯のセットで、おまけでコロッケが付いていました。
それぞれに工夫したフキ料理の味と風味は確かに"フキ"だったが…ちょっと硬くて大味な感じでした。
巨大なラワンふき
足寄町の観光パンフレットには、地元出身の歌手"松山千春"さんが2mほどもある巨大な"フキ"を持った写真が…
この後は国道241を走り、足寄町の街を過ぎて足寄ICから道東自動車道へ乗る。
帯広に住む娘婿夫婦と二人の孫を訪ねて、音更帯広ICから帯広市内へ向かい15時過ぎに到着…
6月9日まで久しぶりの孫たちとの交流を楽しみました。
6月9日:帯広出発
帯広に着いてからずっと天気が悪く、今日は朝から小雨が降り続く…初めて雨中のバイクツーリングをすることになってしまいました。
小樽港へ夕刻の日没前までの到着を目指して小雨の中を出発したが、道東自動車道に乗るとすぐに雨がひどくなり、十勝平原SAでしばし休憩。
雨は一向に降り止む気配なし、バイク用雨合羽を着ているが手袋と靴はズブズブに濡れてしまってる。気を取り直して雨中の高速道路へ走り出る。
幸い十勝を過ぎると雨も弱まって、占冠辺りでは時々晴れ間が見えるようになってきた。
千歳恵庭JCTから道央自動車道に入った辺りからは路面も乾いて夕焼けの空が見えてきた。
札幌を過ぎて札樽自動車道に入った頃に日没…でも、まだ空が明るい。
小樽港到着は19時30分頃だったと思うが、しっかり日没でした。
小樽港出航が23時30分で乗船は22時から…さて、これから2時間をどうやって過ごそうかな・・・
6月10日:帰りのフェリー
フェリーの船客は"札幌よさこいソーラン祭り"の帰りらしく、京都龍谷大学の男女の学生達でいっぱいでした。
長い船旅も彼らには苦にならない様子で、展望オープンデッキで踊ったり歌ったり楽しそう。
やはり若いっていいな~
いい爺の俺は風呂に入るか、持参の文庫本を読むか、寝る以外に他に何にもすることが無い・・・
小樽行きのフェリー(アカシア)とすれ違う
私が乗船した船は行きも帰りも同じ(ハマナス)でした。
6月10日21時15分に舞鶴港着岸、舞鶴⇒大阪(自宅)間を夜間走行で安全に帰着するのみです。
おかげさまで無事に帰り着きました~
ODOメーターは12364(km)
全走行距離は1,856kmでした。
今回の旅をブログにまとめる作業をしながら、年寄り地味ることなくいい爺でいよう。
常に感じる力、想う力、意欲、体力を若々しく保って生きようと改めて思い直しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
読んでて楽しい旅行記でした。
なによりも、無事故で無事に帰れてホッとしてます。
これからはこんな長旅は控えて欲しいところですが…。
まあ、あんまり自信持たずに(笑)ぼちぼちがんばって。