「半村良」の連作時代小説『どぶどろ―昭和ミステリ秘宝』を読みました。
![どぶどろ―昭和ミステリ秘宝](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/2a/96b91ceea004563319c60b0a635af6f1.jpg)
ここのところ時代小説が続いています… 「半村良」の作品は、少年の頃に『石の血脈』、『産霊山秘録(むすびのやまひろく)』等のSF伝奇小説を読んで以来なので約40年振りですね。
-----story-------------
「半村良」の時代小説の傑作、ここに復刊
江戸の下町吹き溜まり、そこに降って沸いた怪事件。
夜鷹蕎麦屋の親爺が切り口鮮やかな一刀のもと殺された。
殺しの真相を追う「平吉」がたどり着いた真実とは?
人気作家「宮部みゆき」に「いつかこんな小説を書いてみたいと思いました」と言わしめ、また彼女の長編時代小説『ぼんくら』のヒントともなった傑作。
-----------------------
市井の人々の哀歓を細やかな筆致で謳いあげる大江戸人情世話ミステリ… 絶版となっていたようですが、2001年(平成13年)に「昭和ミステリ秘宝」シリーズのひとつとして復刊された作品です。
■いも虫
■あまったれ
■役たたず
■くろうと
■ぐず
■おこもさん
■おまんま
■どぶどろ
■平吉の"幸せ" 宮部みゆき
■解説 日下三蔵
魔が差して掛け取りの金に手を付けてしまった莨問屋の手代「繁吉」の苦悩を描いた『いも虫』、
亭主に先立たれ商売敵の囲い者となった女房… その子どもたちに乞食が放った痛切な台詞が印象的な『おこもさん』、
等々、江戸時代の一般庶民の悲哀を描いた独立した短篇7篇が続いた後、、、
本所で発生した夜鷹藁麦殺し… 「山東京伝」の従者「平吉」は、その謎を追ううちに、意外な真相に到達するという長篇の捕物帳『どぶどろ』に前7篇が収斂されていくという展開でしたね。
短篇7篇は、それぞれ短篇として成り立っているのですが、やや物足りない感じ… でも、それは『どぶどろ』を描くための伏線だったからなんですねー
全8篇がひとつの長篇と理解した方がわかりやすいかも… 巧みな構成が愉しめましたね。
『どぶどろ』は、短篇に登場する善良な人々が事件に巻き込まれ、それを追及する「平吉」は親と慕う人々の正体を知る… そして、いままで自分が偽物の人情の世界で生かされていたことを知るという切ない展開、、、
暗くて重くて救いようのないエンディング… 敵があまりにも巨大で、非力な弱者は太刀打ちができず、勧善懲悪の清涼感はなく、印象深いけど、ただただ辛いくて受け入れ難い結末だったなぁ。
![どぶどろ―昭和ミステリ秘宝](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/2a/96b91ceea004563319c60b0a635af6f1.jpg)
ここのところ時代小説が続いています… 「半村良」の作品は、少年の頃に『石の血脈』、『産霊山秘録(むすびのやまひろく)』等のSF伝奇小説を読んで以来なので約40年振りですね。
-----story-------------
「半村良」の時代小説の傑作、ここに復刊
江戸の下町吹き溜まり、そこに降って沸いた怪事件。
夜鷹蕎麦屋の親爺が切り口鮮やかな一刀のもと殺された。
殺しの真相を追う「平吉」がたどり着いた真実とは?
人気作家「宮部みゆき」に「いつかこんな小説を書いてみたいと思いました」と言わしめ、また彼女の長編時代小説『ぼんくら』のヒントともなった傑作。
-----------------------
市井の人々の哀歓を細やかな筆致で謳いあげる大江戸人情世話ミステリ… 絶版となっていたようですが、2001年(平成13年)に「昭和ミステリ秘宝」シリーズのひとつとして復刊された作品です。
■いも虫
■あまったれ
■役たたず
■くろうと
■ぐず
■おこもさん
■おまんま
■どぶどろ
■平吉の"幸せ" 宮部みゆき
■解説 日下三蔵
魔が差して掛け取りの金に手を付けてしまった莨問屋の手代「繁吉」の苦悩を描いた『いも虫』、
亭主に先立たれ商売敵の囲い者となった女房… その子どもたちに乞食が放った痛切な台詞が印象的な『おこもさん』、
等々、江戸時代の一般庶民の悲哀を描いた独立した短篇7篇が続いた後、、、
本所で発生した夜鷹藁麦殺し… 「山東京伝」の従者「平吉」は、その謎を追ううちに、意外な真相に到達するという長篇の捕物帳『どぶどろ』に前7篇が収斂されていくという展開でしたね。
短篇7篇は、それぞれ短篇として成り立っているのですが、やや物足りない感じ… でも、それは『どぶどろ』を描くための伏線だったからなんですねー
全8篇がひとつの長篇と理解した方がわかりやすいかも… 巧みな構成が愉しめましたね。
『どぶどろ』は、短篇に登場する善良な人々が事件に巻き込まれ、それを追及する「平吉」は親と慕う人々の正体を知る… そして、いままで自分が偽物の人情の世界で生かされていたことを知るという切ない展開、、、
暗くて重くて救いようのないエンディング… 敵があまりにも巨大で、非力な弱者は太刀打ちができず、勧善懲悪の清涼感はなく、印象深いけど、ただただ辛いくて受け入れ難い結末だったなぁ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます