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大王から天皇へ - 熊谷 公男(講談社)

大王から天皇へ (日本の歴史)
熊谷 公男
講談社

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2001年1月10日 第1刷発行 講談社(日本の歴史03)

著者は熊谷公男。1949年生まれ。東北大学文学部卒。同大学院、宮内庁正倉院事務所を経て東北学院大学文学部教授。専門は日本古代史。古代氏族、古代蝦夷、政務、儀式などから古代王権の問題に取り組む。

この本はp256までしか読めていない状態で返却。それから4年たつが未読。とても面白い本ではある。

天皇以前の大王の時代、譲位の慣行はなく、多くの群臣に囲まれ推戴された人物が華やかな儀式の中で大王に就く・・・。是非じっくりと読みなおしたい本です。

以下メモ

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p23
日本は伽耶を支配していないが影響力はあった

p24
朝鮮側の資料にも任那は出てくる。424年「昌原鳳林寺真鏡大師宝月凌空塔碑」の一節。「大師はいみなを審希といい、俗姓は新金氏。その先は任耶の王族にして・・・我国に投ず」

p25
半島南部の主要遺跡と倭系遺物分布図

p60
広開土王の時代
西暦400年頃、半島南部での戦乱は広汎な地域を巻き込む大規模なものであったのに、日本の渡来人の出身地は考古学的な遺物から判明するものは大半が伽耶南部地域のものであり、新羅や百済のものはほとんど確認できない。

p84
西嶋定市氏の論を引用するが冊封に関しては異をとなえる

p108
三ツ寺Ⅰ遺跡

榛名山の麓、1981(S56)群馬県群馬町で上越新幹線建設途中に発掘

豪族の居館 約86m四方 周囲に幅30m~40m・深さ3.5mの濠をめぐらす

上空から撮った航空写真が載っている。面白いのは現在の土地利用状況。ほぼ当時の原形をとどめている。

5世紀後半から6世紀初頭のもの。

p112
稲荷山鉄剣

辛亥年7月中=471年

刻まれた文字から、この時代には氏名(姓)がなかったことがわかる(p118)

p138
継体天皇 息長氏出身

息長氏は大王家を妥当しうる地方勢力ではない。仁賢の娘である手白香皇女との婚姻は入り婿

p147
治天下大王の時代

譲位の慣行はない

皇極→孝徳が初の譲位

治天下大王の時代は群臣の推戴が必要

①群臣がレガリヤ(regalia 王位を象徴する宝器)を新大王に献上することから即位式が始まる(岡田精司)

②即位式の場に壇を設けて、そこで即位

③即位式の場が営となる

④大臣、大連、臣、連、伴造を任命(官僚機構が発達した奈良時代になると、もはや天皇の代替わりに行うことはなくなる)

治天下大王の時代は①と④で相互の地位の承認が必要だった。

p149
天命、事依(ことよ)させ、奉け寄せ

事依(ことよ)させ、奉け寄せは神(天)からの声、天命

中国の天下思想でいえば天命にあたる

中国の天命は有徳者に下るが、事依させは天上の神々の子孫、すなわち天皇家(大王家)の人物にだけ下された

前者の基準は徳、後者は血縁

即位式の壇で、この事依させがおこなわれた

p150
治天下大王の時代、天つ神と大王

大王と群臣の関係を即位式を通して構築しなおすことが、自らの手で行うことができるようになり、中国皇帝の権威は必要なくなっていた

p164
任那復興

百済も任那復興を大義名分として掲げざるを得ないほど倭国が主導する国際社会が半島南部に形成されていた

しかし任那日本府とは任那復興=金完国などの独立回復という外交目標を実現させるために、欽明朝初年に安羅におかれた軍事・外交権を持つ出先機関であった

p193
見瀬丸山古墳

6世紀後半 石室の大きさは日本最大

欽明天皇陵説

p203
司馬(鞍作)氏

6世紀半ば半島から渡来

司馬から鞍作と名のり変えた

※司馬=イスマイル=イスラム教徒?

p204
船にかける税

蘇我稲目 553年(欽明14)
百済系渡来人 王辰爾(おうしんに)に船にかける税を算定させる

p211
初期仏塔の意味

古墳の埋葬施設に通じる意味

前方後円墳の時代の首長層の祖霊崇拝は氏寺の中心を占める寺塔へと引き継がれるていく


p256まで 2006年5月28日

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(2006年5月 西図書館)
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