投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

むかし琵琶湖で鯨が捕れた - 河合 隼雄,中西 進,山田 慶児(潮出版社)


むかし琵琶湖で鯨が捕れた
河合 隼雄,中西 進,山田 慶児
潮出版社

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1991年4月15日印刷 1991年4月25日発行 潮出版社

初出「潮」1998年12月号~1989年11月号

著者は河合 隼雄、中西 進、山田 慶児。

河合 心理学者 1928年 兵庫県生まれ。京大卒
中西 国文学者 1929年 東京生まれ。東大卒
山田 科学史研究者 1937年 福岡生まれ。京大卒


何でこの本の題名が「むかし琵琶湖で鯨が捕れた」なのか忘れてしまった。


以下メモ

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P29 蒙文直訳体 日本語の通り読める
「常陸」風土記は漢字の使い方がこれに似る
「豊後」「肥前」は漢文、「出雲」はくずれている。「播磨」と「山城」はもっとくずれている。

P37 浦島
報恩という考え方は仏教説話からきている。もとの逸文「丹後」の浦島子は亀を助けていない

P39 日本にはタブーが少ない
はっきりしたトーテムがあって、それにかかわるタブーを守らないと一つのクラン(氏族)にならないというまとまり方を日本の場合はしていなかったからではないか

P58 風土記の男女の神様
兄弟なのか夫婦なのか区別がつかないところがある

P84 好字二字
和同六年(713)地名の変更

神亀三年(726)
意宇(オウ)郡の条   文理 ⇒ 母理
大厚郡の条     得塩(ウシオ) ⇒ 海潮
秋鹿(アイカ)郡の条   伊努(イヌ) ⇒ 伊農
出雲郡の条     伊農 ⇒ 伊努

P85 中国
支那はジーナ この音の響きを中国人は嫌う

P86 万葉集 柿本朝臣人麻呂歌集
漢詩として通るものがかなりある
漢字仮名まじりに書き改めた歌と同じ意味にはならない
漢詩として読め、日本語として読めるようにするという二重の作業を試みているように思う(山田)

日本語をそのまま書いてもおもしろくないから漢詩風に書く。言葉のわざみたいなものを試みている(山田、中西)

巻第十に多い

国文学界でそう考えている人はほとんどいない

出雲も書ける能力を持った日本人が常陸を書いた

P120 風土記の筆者名
郡司(こうりのつかさ)とか勲何等とか
この頃より勲何等とかが今まで使われつづけている

P125 出雲 計量的な記述
魏志倭人伝に似る
魏志の中で計量的な記述は(克明な記述は)倭人伝だけ。材料を提供したのは倭人ではないか

P130 唯一の神
唯一の神がこの世を創造したなんていうのはすごく変わった考え方
混沌を混沌のまま置いておくという方が多いのではないか

ヨハネ伝「言」(ロゴス)が初めにあった ⇒ 混沌ではない

キリスト教文化が世界を席巻してしまったから、それがスタンダードだとみんな考えるが、神話の世界を考える場合は、キリスト教文化は変わっている

P186 韓神
韓神は日本に入ってくると必ずスサノオノミコトになる。アマテラス系ではない

P196 逸文がない国
安芸、周防、長門、越中、武蔵

P208 日本の昔話は老人の登場率が高く、世界でも珍しい

P211 西洋人は葛藤を論理的に解決しようとする。論理でいくとどちらかが正しく、どちらかが間違っている。完全な勝者と完全な敗者が出てくる。日本人は葛藤を美的に解決する。美的にバランスがとれたらOK

P213 風土記の一番の中心は地形を名付けるということ

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(2007年秋 西図書館)


      
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