孤高のメス―外科医当麻鉄彦〈第1巻〉 (幻冬舎文庫)大鐘 稔彦幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
H19.1.31 初版 H19.3.31 4版
2005年1月栄光出版社より上下2巻で刊行されたものを文庫化にあたり6分冊にした。
著者は1943年愛知県生まれ。京大医学部卒。早くより癌の告知問題に取り組み、ホスピスを備えた病院を創設。手術の公開など先駆的医療を行う。エホバの証人の無輸血手術をはじめ6千件の手術を手がける。現在は淡路島の診療所で僻地医療に従事する。
名医のことを国手と言うそうだ。この本を読んで初めて知った。今夏、堤真一主演の映画が公開される。
老いからくる精神を蝕む病に罹った人と翻弄される家族。年齢に関係なく肉体を蝕む病に悩む人。出世栄達名誉を求める医者と取り巻く生臭い人々。そんな世界をストイックに書き上げられた主人公が際立たせる。
(2010年3月~4月 野田)