この歳になるまで立秋を意識したことがなかったが、田舎に転居して2ヶ月、今年初めて立秋で季節が変わることを実感した。
気温を見ると相変わらずなのだが、茹だるような暑さが消え、日中、歩くだけで全身から汗が吹き出ることが薄らぐ。
どのくらい変わるかと言うと朝から夕暮れまでエアコンを切っていても過ごせるくらいになる。夜はスッキリ眠りにつくためにエアコンは使用する。
子供の頃、お盆が過ぎると川の水温が一気に下がるので、川での遊泳禁止になっていた。大人からは亡者に川底へ引き込まれると脅されていた記憶がある。気温でここまで変化があれば水温も下がる。
6月、7月と毎日見守っていた鳶の幼鳥は7月早々に1羽が巣立ち、7月末日に残っていた成長が遅れた飛ぶのが下手だったもう1羽も巣立った。幼鳥が巣立つとそれまで近くにいた親鳥も先に巣立った若鳥も村の空から消えてしまった。朝から日暮れまで鳴き声が絶えず賑やかだったお隣さんが急に引っ越してしまい、灯が消えたように静かになった。
立秋を迎えた頃、また鳶たちが村の空に静かに戻ってきた。1羽、2羽、3羽。数えると7羽が上昇気流に乗り立秋の空高く舞う。飛ぶのが下手だった幼鳥もこの群れに混ざって飛んでいることを祈る。