豚の文化誌―ユダヤ人とキリスト教徒 (叢書ラウルス) クロディーヌ ファーブル=ヴァサス 柏書房 このアイテムの詳細を見る |
2000年11月25日第1刷発行 柏書房
著者はクロディーヌ ファーブル=ヴァサス。1944年生まれ。民俗学者。国立科学研究所研究部長。ツールーズ社会科学高等研究所でヨーロッパ民俗学を講じている。
訳者は宇頼三。1945年生まれ。1970年九州大学修士卒。三重大学人文学部教授。独仏文化論。
この本は完全に読み終えていません。再読予定です。ですからメモは中途半端です(いつものことですが・・・)
アメリカで牛肉が一般的に食されるようになったのは第二次大戦後のこと。1960年代だったと思う。それまでは豚肉が主な食肉だった。これは世界一般的なことで、ヨーロッパも例外ではない。例外ではないというかヨーロッパでは今でも豚肉の方が多いのではないかと思う。この本に収録されたイベリア半島、ローヌ川、エロー川、オルブ川、オーバ川流域地域の話もつい最近、第二次世界大戦後のものだ。
その頃のヒアリングをもとに過去の記録から豚をめぐる風俗をさぐる。
小説「ハンニバル」を思わせるところがある。あれはヘンゼルとグレーテルがもとか。幼いハンニバル・レクターの妹が殺される場面、これは映画「ハンイバル」には出てこなかったが。
映画「ミスティック・ピザ」も思い出してしまった。ジュリア・ロバーツが演じるピザ屋の娘は赤毛のポルトガル移民だった。
赤毛=ユダヤ人
ライ病=賎民=ユダヤ人
赤毛=ユダの毛
そばかすはライ病の痕
「肝臓(フォウ)も肺もない」という表現があって肉体的な不完全さを表す。これは「信仰(フォウ)もない」につながる。奴らは極悪非道で信仰も法もないとは豚商人に対していう言葉。
豚商人は完全なキリスト教徒ではなかった。洗礼をよく施されなかった者ともなされた。ユダヤ人としてみなされた。
ユダヤ人と豚の腹は彼らが死んだ時にしか大事にされない。
キリスト社会では動物をあつかう商売、ましてや金銭の取引はユダヤ人に委ねられていた。