CARAVAGGIO l'ultimo tempo 1606-1610
ナポリ、カポディモンテ美術館
2004年10月23日~2005年1月23日
Caravaggio, The Final Year
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
2005年2月23日~5月22日
<宮下規久朗氏、地中海学会月報279号より抜粋>
・今回の展覧会も欧米では大きな話題となっており,ナポリでは好評につき会期を1か月延長し,ロンドンでは完全予約制の時間指定の入場となっていて,当日の入場券を買うのは困難であった。ナショナル・ギャラリー西館地下の会場は超満員で,容易に作品に近づけないほどであった。
・(ロンドン会場は)16点のみの展覧会であったが,大作を含むこれだけのカラヴァッジョ作品がまとめて展示されるのは1985年「カラヴァッジョとその時代」展以来,20年ぶりである。ナポリ会場ではさらに《慈悲の七つの行い》や《聖ルチアの埋葬》といった重要な大作や,アトリビューションの問題作なども展示されていたようであり,こちらに行かなかったことが悔やまれた。
・会場で提示されたクロノロジーには必ずしも全面的には承服できなかったし,会場が混雑して照明が暗すぎることなどの不満はあった。
本展覧会から以降の主なカラヴァッジョ展覧会は、HPやブログで日本語による詳細な説明を読むことができます。本当に参考になります。それらを作成した管理者の皆さまに感謝です。
ここでは、私の保有の本(英語版)に掲載された作品名を記載します。
◎印はナポリのみの出品作品、×印は両会場とも出品されなかったと思われる作品を示します。
カラヴァッジョの晩年(1606年以降)に限定してよくこれだけの数の作品が集めることができたものだと感心するしかありません。
【カラヴァッジョ作品】
1 エマオの晩餐(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)
2 エマオの晩餐(ブレラ美術館)
3 祈る聖フランチェスコ(クレモナ、市立アラ・ポンツォーネ美術館)
4 ◎慈悲の七つの行い(ナポリ、ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂)
5 聖アンデレの殉教(クリーブランド美術館)
6 キリストの笞打ち(カポディモンテ美術館)
7 ×執筆する聖ヒエロニムス(マルタ、サン・ジョヴァンニ大聖堂)
8 眠るアモール(ピッティ美術館)
9 アントニオ・マルテッリの肖像(ピッティ美術館)
10 ◎聖ルチアの埋葬(シラクーザ、パラッツォ・ベッローモ州立美術館)
11 ラザロの復活(メッシーナ州立美術館)
12 羊飼いの礼拝(メッシーナ州立美術館)
13 サロメ(マドリード、王宮)
14 サロメ(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)
15 受胎告知(ナンシー美術館)
16 ダヴィデとゴリアテ(ボルゲーゼ美術館)
17 聖ペテロの否認(メトロポリタン美術館)
18 聖ウルスラの殉教(イタリア商業銀行蔵)
19 洗礼者ヨハネ(ボルゲーゼ美術館)
【帰属新提案作品】
20 ◎瞑想の聖フランチェスコ(ローマ、カプチン聖堂)
21 ◎泉のほとりの洗礼者ヨハネ(ローマ個人蔵)
22 ◎エッケ・ホモ(個人蔵)
23 ◎皿に載った洗礼者ヨハネの首を持つサロメ(個人蔵)
24 ◎泉のほとりの洗礼者ヨハネ(個人蔵)
【失われた原作のコピー】
25a ◎マグダラのマリアの法悦(17世紀第1四半世紀の逸名画家、ボルドー美術館)
25b ◎マグダラのマリアの法悦(Wybrandt de Geest、バルセロナ個人蔵)
26 ◎ユディトとホロフェルネス(17世紀逸名画家、ナポリ・Pignatelli美術館)
27 ×円柱のキリスト(17世紀逸名画家、マチェラータ美術館)
28 ◎生誕(Paolo Geraci、カターニャ美術館)