オルセー美術館展2回目。16時30分と遅めの入場。
1回目にスルーした作品を中心に見る方針です。
第1章 1886年-最後の印象派
まずはドガの「階段を上がる踊り子」。
前方の踊り子の連続写真的な動き。後方の踊り子たち、窓から伺えるパリの街。大きな余白。
今回も引き込まれます。やはりドガは今の私の気持ちにマッチします。
前回の繰返しになりますが、横浜美術館でのドガ展が非常に楽しみです。
前回スルーしたモネ。5作品。
「日傘の女性」が1番のお気に入り。
描かれた「大気の一瞬の動き」。本作は過去来日したことがあるのでしょう。これまでも「大気の一瞬の動き」に見入った記憶があります。そして今回も。
次に「ノルウェー型の舟で」。
緑・緑・緑のなかで舟遊びを楽しむ3人。清涼感を感じる素敵な作品です。
「睡蓮の池、緑のハーモニー」、「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」も、組合せ次第では1番のお気に入りになるレベルの作品。
第2章 スーラと新印象主義
スーラの習作群に今回も見入ってしまいました。
「《アニヨールの水浴》の習作」は、家に持って帰りたい。
「ポーズのする女」の3連作は、聖性すら感じさせます。
前回スルーした中品。
「ポール=アン=ベッサンの外港、満潮」は、額縁にも点描があります。絵とは連続しない、額縁の装飾としての点描です。
「サーカス(エスキース)」のエスキースって。「構想を固めるための試し描き」「特に大画面の制作を計画する際の縮小版の作品を指すことがある」「最後に独立した作品に仕上げる意識のある場合に用いる」。なるほど。
習作群に軍配。
第3章 セザンヌとセザンヌ主義
私にはセザンヌは敷居が高いですね。引き込まれる作品も少なくないのですが、多くは弾かれてしまう。さて、今回は。
「サント=ヴィクトワール山」。穏やかな風景。左右の木々の色彩が不穏だけれど。
「シャトー=ノワールの森の岩」。目がチカチカする色彩。
「水浴の男たち」。確かに三角形の構図。画面右の縦の線は、傷口/カンヴァスをつなぎあわせた跡かと一瞬思いましたが、何だろう。鑑賞者に背中を見せている三人の男の背中に縦に伸びる線が印象的かなあ。
小品「ドラクロワ礼賛」、人物画2点、静物画2点と続きますが、弾かれてしまいました。「台所のテーブル(籠のある静物)」は優品らしいけれど。
次回再挑戦。
第4章 トゥールーズ・ロートレック
ロートレックが3点。
「女道化師シャ=ユ=カオ」。彼女はどういうシチュエーションでこの部屋にいるのだろう。
「赤毛の女(化粧)」。か細い背中にとまどってしまいます。
第8章 内面への眼差し
第4章の時点で閉館15分前の案内。ゴッホとゴーギャンを通り過ぎ、さらに進んで一気に第8章へ。
ルドン「目を閉じて」。
ルドンの代表作の一つですね、画集でよく見かけます。
実物を見たのは初めてと思いますが、不思議な作品。
水平線上に浮かぶ巨大な蜃気楼?どういう場面設定なのでしょうか。
モロー「オルフェウス」。
本展でも人気の作品のひとつ。微細な描写を熱心に追ってしまいます。
総じて平面的な描写の中で、ネックレスの飾りが立体的に描かれていて注目。
この作品は1865年作と本展出品作のなかでは突出して古い(他は全て1880年代以降の作品)のに、よく来日してくれたもの。
この時点で6時の案内。シャヴァンヌ「貧しき漁夫」に進みます。絵の雰囲気を味わっていると、背後に追い出し軍団の気配。
他の作品はスルーして第9章のアンリ・ルソーまで進み、「蛇使いの女」を眺めていると、再び背後に追い出し軍団。
今日はここまでと退館。
このままでは終われません。また、六本木に行くことにします。