カラヴァッジョ展
2016年3月1日~6月12日
国立西洋美術館
バティステッロ・カラッチョロ
《聖家族》
139×110cm
コゼンツァ、カリメ銀行コレクション(コゼンツァ国立美術館)
真っ黒の背景。強い光。自らの指先を見つめる幼児キリスト。幼児キリストを見ているヨセフ。そして、鑑賞者を見つめるマリア。
バティステッロ・カラッチョロは、1578年ナポリ生、1635年ナポリ没。
ナポリには、「カラッチョロの町」と呼べそうなほど、多くの教会に画家の「静穏で感動的な」作品があるという。
「カラヴァッジェスキの代表的画家で、最もカラヴァッジョの画風に近く、ナポリでカラヴァッジョの画風を継承し、発展させた」カラッチョロは、1607年にローマから逃亡してナポリ滞在中だったカラヴァッジョと、個人的に接触があったものと考えられている。
カラッチョロの作品は、2001年の回顧展でも2点出品されている。
《眠るアモール》
1610年頃
72.5×96.5cm
パレルモ、シチリア州立美術館
《ゴリアテの首を持つダヴィデ》
1612年頃
202×112cm
ローマ、ボルゲーゼ美術館
後者は、2009-10年開催のボルゲーゼ美術館展でも来日。その際は、カラヴァッジョの晩年の重要作《洗礼者聖ヨハネ》の隣に展示されてしまって、えらく割を食ったなあという印象。
その他、記憶の範囲では、2009年開催のTHEハプスブルグ展での《オリーブの山のキリスト》の1作品、2010年開催のカポディモンテ美術館展での《カルヴァリオの丘への道行き》(←画像)《ヴィーナスとアドニス》の2作品が来日している。
カラヴァッジョのナポリ時代の作品《慈悲の七つの行い》が設置されているナポリのピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂には、カラッチョロの代表作の一つ《聖ペテロの解放》(←画像)がカラヴァッジョ作品の隣の祭壇に設置されている。