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マティス展
2023年4月27日〜8月20日
東京都美術館
本展は、パリのポンピドゥー・センターの所蔵作品によるマティス展。
ごく一部、国内所蔵作品が加わる。
会期は4ヶ月近くと長めである。
約20年ぶりのマティス展だという。
2004年の国立西洋美術館「マティス展」以来となるようだ。
東京都美術館。
前の展覧会はウィーン・レオポルド美術館所蔵作品による約30年ぶりだという「エゴン・シーレ展」だったし、次の展覧会はローマ・カピトリーノに米国・ウースターが予定されているし、昨年もドレスデン、スコットランドにボストンと、海外美術館の所蔵作品による西洋美術の大型企画展を続けて開催していることは、驚異的である。
【本展の章立て】
1 フォーヴィスムに向かって 1895-1909
2 ラディカルな探求の時代 1914-18
3 並行する探求-彫刻と絵画 1913-30
4 人物と室内 1918-29
5 広がりと実験 1930-37
6 ニースからヴァンスへ 1938-48
7 切り絵紙と最晩年の作品 1931-54
8 ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 1948-51
本展は、2番目のフロア(1階フロア)においては写真撮影可能。
本展の章立てだと、4章、5章、6章の写真撮影が可能。
以下、撮影した画像を掲載する。
第4章 人物と室内 1918-29
1920年代、ニースに居を構えたマティスは、以前よりも小さいカンヴァスを用いて、肖像画や室内画、風景画を描き、伝統的な絵画概念に向き合うようになります。本章では、人物画と室内画を中心に、マティスがこれまでの造形的な実験を再検証した10年間の試みを紹介します。
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マティス
《赤いキュロットのオダリスク》
1921年、65.3×92.3cm
ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
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マティス
《グールゴー男爵夫人の肖像》
1924年、81×65cm
パリ装飾美術館寄託
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マティス
《緑色の食器戸棚と静物》
1928年、81.5×100cm
ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
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第5章 広がりと実験 1930-37
1930年代のマティスは、アメリカやオセアニアを旅し、新しい光と空間に触れながら、再び豊かな造形上の探求に戻ることになります。本章では、《座るバラ色の裸婦》や《夢》など、最晩年までマティスの特別なモデルとなるリディア・デレクトルスカヤを描いた作品を中心に、絵画のフォーマットに人物の形態を挿入する方法について、無数のヴァリエーションを伴いながら追求したこの時期の試みなどを紹介します。
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マティス
《夢》
1935年、81×65cm
ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
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マティス
《《夢》のための習作》
1935年、24.8×32.3cm
ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
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マティス
《座るバラ色の裸婦》
1935年4月-1936年、92×73cm
ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
〈参考〉モデルのリディア・デレクトルスカヤについて
『シベリアの女性がいかにしてマティスのミューズになったのか?』
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今回の一番お気に入りは、第2章の展示作品。
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マティス
《グレタ・プロゾールの肖像》
1916年末、146×96cm
ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
黒い首、顔の傷(らしきもの)、青い服から透けて?見えている脚、左脇や上半身を囲む光、不思議な肖像画。