東京でカラヴァッジョ 日記

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チーマ・ダ・コネリアーノ(Cima da Conegliano)(1)

2010年06月05日 | 海外の展覧会

Cima da Conegliano – Poeta del Paesaggio(チーマ・ダ・コネリアーノ - 風景の詩人)
Palazzo Sarcinelli, Conegliano(イタリア)
2010年2月26日~6月2日


チーマ・ダ・コネリアーノの展覧会がイタリアのコネリアーノ(Conegliano)で開催されていることをネット検索中に知りました。
展覧会のHPを見ると、魅力的な詳細画像がたくさん載っています。
行けないので、せめて図録でも、ということでイタリアのlibro.coにネット注文。先日到着しました。


チーマ・ダ・コネリアーノはそれまで名前すら知りませんでした。
世界美術大全集第13巻「イタリア・ルネサンス3」を確認すると、本画家独立の説明はなし。他の画家の説明の中に2回名前が出てくるのみで、作品図版の掲載もありません。


1 作品が来日したことがあるのか


手元の「イタリア・ルネサンス-宮廷と都市の文化」展(2001年)図録を見ると、ありました。なんと3点も。
1)トビアスと大天使、聖ニコラウス、聖ヤコブ」(ヴェネツィア、アカデミア美術館)
2)眠るエンデュミオン(パルマ、国立美術館)
3)ミダス王の審判(パルマ、国立美術館)


「眠るエンデュミオン」は2007年の「パルマ展」にも来ています。これは見た記憶があります。また、同じく2007年の「ヴェネツィア絵画のきらめき」展でも「風景の中の聖母子」が出ていたらしい。


2 チーマ・ダ・コネリアーノはどのような画家か


図録にはいろいろと書かれているのでしょうが、イタリア語なので読めません。
「イタリア・ルネサンス展」図録には、作品の説明はあっても、画家の説明はありません。
ヴェネツィア派の画家であるらしいので、代表的なヴェネツィア派の画家の生没年を並べます。


◇ジョヴァンニ・ベッリーニ 1425/30-1516
◇アントネッロ・ダ・メッシーナ 1430頃-1476
◇カルロ・クリヴェッリ 1430/35-1495
◇カルパッチョ 1460頃-1525/26
◇チーマ・ダ・コネリアーノ 1459/60-1517/18
◇ジョルジョーネ 1477/78-1510
◇ティティアーノ 1488/90-1576
◇ティントレット 1519-1594
◇ヴェロネーゼ 1528-1588


以下は、世界美術大全集第13巻から、画家について触れられた2か所を引用します。


(ジョヴァンニ・ベッリーニの章)
聖母子の背後に織物が衝立をなして立ち、両側に風景が遠く延びるという新形式が彼の手でつくり出される。チーマ・ダ・コネリアーノその他、ジョヴァンニに続くヴェネツィア派画家たちがこれを模倣また活用したことは言うまでもない。


(アントネッロ・ダ・メッシーナの章)
ベリーニの焼失したサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ祭壇画を踏襲したサン・カシアーノ祭壇画は、16世紀初めまで続くヴェネツィア式の「聖会話」構図の祭壇画のプロトタイプの一つとなり、ベリーニも含めアルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ、バルトロメオ・モンターニャ、チーマ・ダ・コネリアーノ、そしてジョルジョーネにまで影響を与えている。


3 コネリアーノの街


画家が生まれ没した街。ヴェネト州トレヴィーゾ県のコムーネのひとつ。ヴェネツィアの北側、電車で1時間弱のところにある。ワインの産地で有名であるらしい。展覧会HPの街の写真を見る限り、畑に囲まれた歴史のある小さな美しい街に見えます。画家の作品の背景には、コネリアーノの街が描かれているそうです。


続きは次回とします。



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