日経おとなのOFFの2016年1月号「2016年絶対に見逃せない美術展」を眺める。
西洋美術、日本美術とも楽しみな展覧会が多数掲載されている。
東京に住んでいると、それら展覧会に時間的にも金銭的にも小さい負担でアクセスできる。実に極めて恵まれた環境である。
しかし、なかには首都圏・その近郊では開催されない展覧会もある。
【観たい。けれども首都圏で開催されない展覧会(その1)】
国宝 信貴山縁起絵巻
朝護孫子寺と毘沙門天王信仰の至宝
2016年4月9日~5月22日
奈良国立博物館
山崎長者巻、延喜加持巻、尼公巻の全三巻からなる国宝《信貴山縁起絵巻》。
2014年東博の日本国宝展にて「尼公巻」が全場面一挙公開され、その魅力を堪能した。
本展は、山崎長者巻、延喜加持巻もあわせ、「会期中を通じて三巻すべての場面を同時公開する史上初めての試み」という。さらに、同絵巻の所蔵者である朝護孫子寺の寺宝も展示されるとのこと。
奈良博の独自企画なのだろう。これは観たい。一度で全部見れるというから、ますます観たい。
【観たい。けれども首都圏で開催されない展覧会(その2)】
ピカソ、天才の秘密
2016年1月3日~3月21日
愛知県美術館
2016年4月9日~7月3日
あべのハルカス美術館
ピカソのキュビスム前の時期に焦点をあてた展覧会。「青の時代」と「バラ色の時代」の油彩画が国内外より9点出品されるという。9点というのは「国内史上最大」になるらしい。
2008年のフェルメール展での7点や今年3月予定のカラヴァッジョ展での予告10点の凄さは感覚的にわかるが、ピカソの9点がどれほどの凄さなのか、ピカソに強い関心があるわけではないこともあって、全くわからない。
ただ、青の時代の「青色」、バラの時代の「バラ色」、その色彩には惹かれているところ。
公式サイトには、青2点、赤1点の画像がある。
《扇子を持つ女》1905年、ワシントン・ナショナル・ギャラリー
《スープ》1902年、アート・ギャラリー・オンタリオ美術館
《パンを頭にのせた女》1906年、フィラデルフィア美術館
素敵な「青色」「バラ色」だ。この3点なら観たい。
どちらも関西で開催。しかも、会期が重なる。また、奈良博とハルカス美は、JR大和路線1本(または近鉄奈良線+JR環状線など)で1時間ほどで移動できる距離。
4月9日~5月22日に、関西プチ美術旅行が実現できるといいなあ。
いつも楽しく拝読しております。
本文の時期に関西に来られるなら、お薦めしたい展覧会が、二つあります。
①光を紡ぐ肌のルノワール展
現時点で、あまり情報が公表されていません(他地域に巡回があるのかも分かりません)。
フライヤーやサイトでは、メイン作品として、シュテーデル美術館の「昼食後」が出ていますが、なかなか魅力的な作品です。
展覧会企画会社が、2008年の東京都美術館のフェルメール展や現在開催中の森アーツギャラリーのフェルメールとレンブラント展を企画している会社なので、勝手に期待しております。
展覧会の趣旨に合わないので、ないと思いますが、「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」の2ndヴァージョンが出品されたら驚きです。
サイト … http://www.mbs.jp/renoir/
また、名古屋ボストン美術館でも、ルノワール展が開催されるようですが、国立新美術館のルノワール展と合わせて、同時期にルノワールのダンス三部作が揃うようです。
②我が名は鶴亭展
鶴亭というと、江戸期の花鳥画の画家という程度の認識でしたが、初めて回顧展を開催する模様です(長崎歴史文化博物館と神戸市立博物館のみの開催の模様です)。
昨年は千葉市美術館と大阪歴史博物館を巡回した「唐画もん展」で墨江武禅と林閬苑に焦点を当てましたが、この展覧会も知られざる江戸期の絵師に焦点を当てた展覧会という位置づけができると思います。
今年は、東京都美術館で若冲展が開催されますが、メジャーとなった若冲を含めて、個性豊かな江戸絵画を堪能できる展覧会と思います。
また、地元紙で「秋に京都市美術館で若冲展を開催する」との情報に接しましたが、詳細は全く不明です。6月末からは、細見美術館でも「伊藤若冲展」を開催されるようですが、こちらは同館の若冲コレクションを一挙に公開するというものではないかと予想しております。
よろしければ、ご検討ください。
コメントありがとうございます。
また、関西地区での展覧会情報ありがとうございます。
シュテーデル美術館の《昼食後》は是非観たいです。「光を紡ぐ肌のルノワール展」の開催は、日経おとなのOFFで認識だけはしていましたが、この作品が来るのなら、他にも素敵な作品が期待できそうですね。また、この時期、同じ京都市美術館で開催される「モネ展」、東京会場非出品の《テュイルリー公園》の展示期間にも重なります。ますます行きたくなります。
鶴亭という絵師の名は初めて聞きました。展覧会サイトの画像を見ました。新たな出会いが待っているのかもしれません。
ルノワール→京都
鶴亭→神戸
信貴山縁起絵巻→奈良
ピカソ→大阪
府県がみんな異なります。一度のプチ美術旅行で行けるのは、せいぜい2展が限界。悩ましい選択になります。
若冲展は是非京都でも開催してもらいたいと思います。
度々の書き込み、失礼いたします。
もしも来られるのが、平日でしたら、ピカソ展が20時閉館になりますので、会場のあべのハルカス美術館を最後に回すと、効率よく回ることも可能です。
「ルノワール」→「信貴山」→「鶴亭」→「ピカソ」の順と仮定します。
①京都市美術館から奈良国立博物館へ
東山駅→(地下鉄東西線)→三条駅:乗り換え→(京阪特急)→丹波橋駅:乗り換え→(近鉄)→近鉄奈良駅
②奈良国立博物館から神戸市立博物館へ
近鉄奈良駅→(近鉄・阪神直通快速)→阪神三宮駅
③神戸市立博物館からあべのハルカス美術館へ
JR三ノ宮駅→(新快速)→JR大阪駅:乗り換え→(環状線内回り:関空・紀州路快速)→JR天王寺駅
関西の私鉄の特急で、別途特急料金を要するのは、近鉄と南海のみですので、上記の京阪は不要です。
一つの展覧会をどのくらいの時間をかけるかにもよりますが、ご参考にされたら幸いです。
展覧会情報ではなく鉄道情報ですが、京阪特急で時刻表などで「2扉車」と表記されている列車は、中央の車両がダブルデッカーです。2階席に乗車すると車窓の景色が楽しめます。
また、奈良から近鉄を利用して大阪・神戸へ行かれるのでしたら、生駒駅を過ぎて生駒山の長いトンネルを抜けると、進行方向右手に、大阪平野と六甲山が一望できます。
ぜひ、移動の道中も楽しまれてください。
コメントありがとうございます。
また、ご丁寧に案内くださり、恐れ入ります。
シミュレーションしてみましたが、
6:00または6:16東京駅発
8:08または8:29京都駅着
バスまたは地下鉄で移動。
8:45または9:10京都市美術館着。
1時間半滞在。
10:40頃、京都市美術館発
バス→京阪特急→近鉄急行→徒歩
12:20頃、奈良国立博物館着。
1時間半滞在。
14:00頃、奈良国立博物館発。
私のプチ美術旅行計画では、この時刻あたりでタイムアップとなります。
4展から2展を選ぶ方向で、今後悩むこととします。
京都のルノワール展は、フォローしていなかったので、有難い情報です。現時点でもサイトでは出品作品1点を除き、詳細情報はないようですね。その辺りを確認したうえで2展を選びたいと考えています。
三度のコメントとなり恐縮です。
本日(2月26日)の読売新聞朝刊20-21面に「光の巨匠 京で競演」と題して、京都市美術館で来月から始まる「マルモッタン美術館所蔵 モネ展」と「光を紡ぐ肌のルノワール展」の特集記事が掲載されました(おそらく、関西地方版のみの記事ではないかと思いますが、関東方面でも掲載されている内容でしたら、お許しください)。
前者は、昨秋に東京都美術館で開催されたものなので、ご存じの内容と思いますので、割愛します。
肝心の後者ですが、出品作品が一部紹介されました。事前にお知らせすると楽しみが減る分もありますが、計画の参考に必要な情報と思いますので、お伝えします。
《昼食後》シュテーデル美術館
《水浴の後》ヴィンタートゥール美術館
《草原で花を摘む少女たち》ボストン美術館
《白いエプロンのリュシー=ベラールの肖像》ペレス・シモン・コレクション
《風景の中の座る浴女》ピカソ美術館
《うちわを持つ女》クラーク美術館
《猫を抱く女》《おもちゃで遊ぶ子ども、ガブリエルと画家の息子ジャン》《シャルロット=ベルティエ嬢》以上、ワシントン・ナショナル・ギャラリー
2010年以降を見ても、来日した作品も多いですが、優品・傑作との再会が楽しめる内容と思います。
移動の件ですが、京都駅から京都市美術館へ行かれるのでしたら、地下鉄を利用された方が時間計算が確実です(京都駅→烏丸御池駅:のりかえ→東山駅)。バスは、時間計算が非常にしにくいので、車窓を楽しまれるなど、バスに乗る目的がない限り、あまりお勧めしません。
地下鉄東山駅から美術館へは、白川沿いの道が近道であり、風情があります。
美術館から京阪の各駅に行かれる場合、最短は地下鉄東山駅から地下鉄に乗り、一駅先の京阪三条駅で地下鉄から京阪に乗り換えるルートが最も時間がかからないと思います。
仮に、少し時間に余裕があるのでしたら、美術館から京阪三条駅やその次の京阪祇園四条駅まで、徒歩で20~40分程度の散歩を楽しむのも一手です。
白川に沿って下っていくと、途中に祇園界隈の風情のある地区を通って、祇園四条駅にたどり着きます。
無用に細かい情報の如何かと思いますが、ご参考にされてください。
京都のルノワール展の詳細情報、ありがとうございます。
初来日の《昼食後》シュテーデル美術館 がメインになりますね。
他の作品は、おっしゃるとおり、近年来日経験のある作品が大半ですね。
でも、例えば《うちわを持つ女》クラーク美術館 はもう一度観たいと思う作品です。
新聞に特集記事が載ったとのことですので、間もなく更新されるだろう公式サイトも確認しながら、悩みたいと思います。
京都市美術館←→駅間の移動情報、ありがとうございます。
これまで、京都市美術館や京都国立近代美術館への移動については、バスにしていましたが、確かにバスは時間が読めないですね。
昔、美術館からの帰りの京都駅への移動で、新幹線に間に合うかヒヤヒヤした記憶があります。
今度は地下鉄も試してみます。