東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

没後25年 鴨居玲 終わらない旅(横浜・そごう美術館)

2010年08月21日 | 展覧会(日本美術)
鴨居玲。
彼の作品を初めて見たのは、20年近く前の千葉・そごう美術館での「鴨居玲」展。
作品の主題と暗い色調に圧倒された記憶があります。図録も購入。

それ以来の「鴨居玲」展訪問。

作品を進むに連れ、だんだんとその世界に引き込まれる、という感じ。

特に惹かれたのが、スペインの村の人々を描いた作品群。
1971年から74年まで、マドリードから南200キロほど、ラ・マンチャ地方の小村バルデペーニャスに滞在したとのこと。

重厚に描かれる、酔っ払い、廃兵、老人、老婆。

以下、特に印象的な作品を。

1 おっかさん
 だらしなく酔っ払ってしまった息子を叱る母親。
 息子も十分に老人。母親も相当な老人。
 いくつになっても。
 そういう意味で心温まる作品。ただ、現実の生活は厳しそう。

2 廃兵
 キャプチャーにあった言葉、「傷痍軍人」。
 子供のころ、繁華街でよく見かけた姿を思い出しました。当時はよく事情が分からなかったけれど。
 重い戦争画。

3 望郷を歌う(故高英洋に)
 存在感

4 1982年 私
 作品の主題の人々に囲まれ、真っ白なキャンバスを前に喪失状態にある画家。
  「常に自己の内面と向き合い、苦悩した」 この画家であってこその作品。  
 右端の後ろ姿の女性。本展ではこの主題の作品展示がなかったですね。 


写真資料が、画家の世界を知る手助けになっています。




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