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フェルメール《窓辺で手紙を読む女》、修復後の「キューピットの画中画」のある姿で来日予定

2021年02月14日 | フェルメール
   修復により「キューピット」が出現したことで話題となった、フェルメール《窓辺で手紙を読む女》が、2022年に来日するらしい。
 
 
ドレスデン国立古典絵画館所蔵
フェルメールと17世紀オランダ絵画展
2022年1月22日〜4月3日
東京都美術館
 
   言い直すと「キューピットの画中画」が出現。
   従来より「キューピッドの画中画」の存在自体は認識されていたが、フェルメール自身が塗りつぶしたものと考えられていた。今回の修復プロジェクトにより、塗りつぶしは、作品制作の数十年後に他者の手によってなされたものだと判明。塗り潰しを除去することとされたもの。
 
   計画どおり来日が実現すれば、1974年「ドレスデン国立美術館所蔵ーヨーロッパ絵画名作展」(国立西洋美、京博)、および2005年「ドレスデン国立美術館展」(兵庫県立美、国立西洋美)以来、17年ぶり3度目となる。
 
 
 
   2017年から開始された修復プロジェクトは、2019年時点の情報だと、2020年半ばに完了する見通しとされていた。
 
   現在、美術館HPを見ると、修復完了の御披露目の展覧会が、本年(2021年)夏に予定しているようだ。
 
 Johannes Vermeer. On Reflection
04/06/2021—12/09/2021
ドレスデン国立古典絵画館
 
   本作をメインとして、アムステルダムの《手紙を読む青衣の女》とロンドンの《ヴァージナルの前に立つ女》などフェルメールの他作品9点、および、17世紀後半のオランダ絵画約50点にて構成されるとある。
 
   どうやら御披露目の展覧会が終了してしばらく後に、日本にやってくる計画であるらしい。
 
   この修復プロジェクトなのか御披露目の展覧会なのかその双方なのか、サポーター・スポンサーは、財団ハタステフティング。
 
   財団の理事長・秦新二と事務局長・成田睦子の共著『フェルメール  最後の真実』(文春文庫)。
   2018年のフェルメール展にあたって、修復完了後の《窓辺で手紙を読む女》の出品を目論み、8回ドレスデンに足を運びギリギリまで交渉したが、結局修復が会期には間に合わないことが明らかとなり断念したという。「ドレスデンとは、すでに固い信頼関係で結ばれていた」ことから、《取り持ち女》がその代わりとして来日することとなったと誇らしげに記している。
 
   2022年の展覧会は、2018年には実現できなかった、修復後の姿の《窓辺で手紙を読む女》を来日させる企画なのである。
 
 
   日経新聞の連載「美の十選」、2/12掲載の「ネーデルラント  日常の発見(10)」では、このフェルメール《窓辺で手紙を読む女》が取り上げられている。
   執筆者は、東京都美術館の学芸員。本展を担当なさるのであろうか。
   ただし記事では、「修復後の姿は、所蔵館で今年開催される展覧会でお披露目の予定だ。」どまりで、来日の件には触れられていない。
 
 
 
   問題はCOVID-19の状況。
   現在、ドレスデン国立古典絵画館は、臨時休館中。
   修復は予定どおり終了したのだろうか。
   館の御披露目の展覧会は予定どおり開催できるだろうか。
   来年の冬季、感染状況は落ち着きを見せているだろうか。
   フェルメール来日計画は計画どおり進むのであろうか、是非進んで欲しいものである。
 
 
   キューピッドが大きい。手紙を読む女性より大きそう。


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