内藤コレクション展3
写本彩飾の精華
天に捧ぐ歌、神の理
2020年9月8日〜10月18日
国立西洋美術館新館2F版画素描展示室
内藤裕史氏(筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授)が2016年に国立西洋美術館に寄贈した中世彩飾写本コレクションを紹介する「内藤コレクション展」3回シリーズの最終回。
聖歌集に由来するリーフと、教会法令集由来のリーフを核として「華やかで美術史的評価の高い作品を多数ご紹介いたします」とのこと。
なお、本展終了後、国立西洋美術館は約1年半の長期休館に入る。前庭の下にある企画展示館上部の防水工事のためという。耐用年数が過ぎるらしい。なんというタイミング。再開時の情勢はどうなっているのだろうか。
以下、最初の部屋展示のイタリアの彩飾写本から7点の画像を掲載する。
《『レオネッロ・デステの聖務日課書』零集》
フランチェスコ・ダ・コディゴーロによる写字、ジョルジョ・ダレマーニャによる装飾
イタリア、フェラーラ
1441〜48年頃
内藤コレクション
イニシャルPの内部に「巻紙を持つ預言者」
イニシャルAの内部に「メディア王アルファクサド」(部分)
《聖務日課聖歌集零葉:
イニシャルQの内部に「書物と剣を手にした聖パウロ」》
イタリア、ピサ
1330〜40年頃
内藤コレクション
《ミサ聖歌集零葉:
イニシャルAの内部に「3人の天使」》
シエナ大聖堂聖歌隊用歌集群の第一の画家
イタリア、シエナ
1290-1310年頃
内藤コレクション
《聖務日課聖歌集零葉:
イニシャルVの内部に「殉教の瞬間に戴冠される処女聖人》
モンテプルチアーノの画家
イタリア、フィレンツェ
1325-35年頃
内藤コレクション(長沼基金)
《典礼用詩篇集零葉:
イニシャルBの内部に「プサルテリウムを奏でるダヴィデ王と祝福する神」》
カマルドリ会士シモーネに帰属
イタリア、フィレンツェ
1380年頃
内藤コレクション(長沼基金)
《聖歌隊席用詩篇集零葉:
イニシャルDの内部に「愚者の饗宴」》
アントニオ・ディ・ニッコロ・ディ・ロレンツォ
イタリア、フィレンツェ
1480-1500年頃
内藤コレクション(長沼基金)
《ミサ典書零集:
「ミサをあげる司祭」を内部に描くふたつのイニシャルA》
イタリア、ウンブリア地方
1300-10年頃
内藤コレクション