東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

物語をえがく 王朝文学からお伽草子まで(根津美術館)

2015年11月21日 | 展覧会(日本美術)

コレクション展
物語をえがく
王朝文学からお伽草子まで
2015年11月14日~12月23日
根津美術館


   根津美術館所蔵作品による展覧会。


   2012年サントリー美術館「お伽草子−この国は物語にあふれている−」で観た、お伽草子系絵巻目当てに訪問。その期待は充分に満たされる。


   以下、楽しんだ絵巻4点。


《賢覚草紙絵巻》2巻、室町時代、16世紀(1巻は再見)

・将来ある娘と結ばれるとの夢を見た僧。遠江国(静岡県)までわざわざ出向き、その裕福な屋敷に侵入。まだ5歳の女の子を刺して逃亡する。女の子は何とか一命をとりとめる。

・それから◯◯年後。僧は京都の清水で出会った女と一夜を共にするが、胸の傷痕からあの女の子であることに気付き、再び逃亡する。女は、舟に乗る僧を追って川に飛び込む。何とか泳ぎきったが、僧は寺に逃げ込む。寺に逃げ込まれたらいかんともし難い。女はついに息絶える。

 

《蛙草紙絵巻》1巻、室町時代、16世紀(再見)

・清水寺詣が趣味の男、さらしていた布を食べる牛を山の上から見て、そのお屋敷に行く。俺には超能力がある、布の行方をお教えしましょう。騙された主人、娘の長患いの原因を調べて欲しいと頼む。その晩、男のもとに蛙の精が現れる。男はその願いに応じ、娘の部屋の床下に閉じ込められた蛙を救う。娘は回復。喜んだ主人、男を婿にする。

 

《西行物語絵巻》2巻、室町時代、15世紀

・のちに西行と呼ばれる男、自分にまとわりつく4歳の娘を縁側から庭に蹴り落とす。

 

《玉藻前物語絵巻》2巻、室町時代、16世紀(←へた度合いが突出)

・帝の寵愛を受ける美女玉藻は、実は狐が化けていた。弓の名手2名が退治すべく遠征するが、狐に逃げ切られる。
・いったん帰郷した弓の名手2名、リベンジを期し、鞠と犬を相手に弓の訓練に励む。(←なんとも間の抜けた図)


   楽しい時間であった。



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