東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

楽しみ!!ポルディ・ペッツォーリ美術館展

2013年07月06日 | 展覧会情報

随分先のことではありますが。
Bunkamuraでイタリア・ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館展が開催される。


ポルディ・ペッツォーリ美術館展(仮)
2014年4月4日~5月25日
Bunkamuraザ・ミュージアム


同じミラノのアンブロジアーナ絵画館の所蔵作品からなるレオナルド・ダ・ヴィンチ展が6/30に終了。
(なお、総入場者数は、会期61日間で261,819人、1日あたり4,292人とのこと。)
私にとっての2013年上期4大イベント(残り3つは、エル・グレコ展とラファエロ展、約1週間の会期を残す貴婦人と一角獣展)も幕が閉じるなあ、と寂しく思っていたところへの、ビッグ・ニュース。


イタリアを代表する美術館のひとつであるポルディ・ペッツォーリ美術館は、ミラノ有数の貴族ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリの残した邸宅を美術館として公開しているものです。
本展では、ペッツォーリ家が何代にもわたって収集し、受け継いできた美術品や装飾品からなるその珠玉のコレクションを日本で初めてまとめて紹介していきます。
ポッライウォーロの傑作≪貴婦人の肖像≫をはじめ数々の名品により、15-19世紀までのヨーロッパ美術の系譜をたどり、華麗なる貴族文化の一端を展観していきます。


ミラノの美術スポットといえば、私にとっては、

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会
ブレラ美術館
アンブロジアーナ絵画館
ポルディ・ペッツォーリ美術館
スフォルツェスコ城

の5つ。

これらの所蔵作品。
最初の2スポットは言うに及ばず、アンブロジアーナ絵画館ならカラヴァッジョ≪果物籠≫、スフォルツェスコ城ならミケランジェロ≪ロンダニータのピエタ≫と、見たい作品がすぐ浮かぶ。が、ポルディ・ペッツォーリ美術館はすぐには浮かばない。
週刊世界の美術館94号「ポルディ・ペッツォーリ美術館」にて確認する。
2001年の発刊とあるので、もう12年前の冊子である。


本展の目玉、ポッライウォーロの≪貴婦人の肖像≫は、表紙に加えて、巻頭コーナー「珠玉の1枚」で取り上げられている。
本美術館を代表する絵画であるらしい。

同冊子による≪貴婦人の肖像≫の見どころ。
「ルネサンス初期の生命感溢れる女性美」

○波打つ金髪の美しさ
○幾何学的な比例に基づいた理想の顔
○シャープな輪郭線
○富を示す豪華な宝飾品
○モデルの特徴をとらえる横顔
○彫刻を思わせる陰影表現
○シルエットを際立たせる背景
○結婚を暗示するドレス

これは、非常に楽しみな作品である。


≪貴婦人の肖像≫以外には、何が来日するのだろう。

同冊子には、≪貴婦人の肖像≫以外に、20点の図版が掲載されている。私の希望は、

ボッティチェリ≪聖母子(書物の聖母)≫

ボッティチェリ≪キリストの哀悼(ピエタ)≫

ピエロ・デッラ・フランチェスカ≪トレンティーノの聖ニコラウス≫

マンテーニャ≪聖母子≫

クリヴェリ≪キリストの血を集める聖フランチェスコ≫

コズメ・トゥーラ≪聖マウリシオ≫・・・画像なし
全て15世紀後半の作品。

ボッティチェリは来ないだろう。来るなら、ポッライウォーロは目玉にならない。
ならば、後4点のうちどれかが来日するだろうか。
やっぱり15世紀作品は、その貴重さから、ポッライウォーロ1点だけと考えるべきか(あっても、無名の画家の作品か)。
もちろん、ポッライウォーロ1点が来日すること自体が充分にありがたいことである。


どういう出品構成になるのか。
展覧会の紹介文には「15-19世紀までのヨーロッパ美術」とある。約400年にわたる。イタリア美術に限定されない。
大胆に想像する。
16世紀のロンバルディア地方ほか北イタリアの作品が数点、
17世紀のイタリア・バロックの作品が数点、
18-19世紀のイタリアの作品が数点ずつ、
あとはイタリア以外の作品。
この美術館はそんなに所蔵する絵画数が多いとは思えないので、絵画は総数20点くらいかも。
となると、出品点数の半分以上は、絵画以外のもの、「装飾品」ということになるのだろう。


気の早い話であるが、いずれにせよ、楽しみな展覧会である。


【追記  8/11】
展覧会の題名は、「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館所蔵 華麗なる貴族コレクション展」。
片面のみの早刷りチラシには、ポッライウォーロの≪貴婦人の肖像≫のみ示されている。HPも同様。情報更新は秋とのこと。



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
出品作品について (左京区)
2013-08-28 22:48:18
K様

 お世話になっております。
 いつも、楽しく記事を拝読しております。

 本展ですが、来春大阪に開館する「あべのハルカス美術館」に巡回することになったようです。
 運営主体である近鉄が、開館後の展覧会ラインナップのプレスリリースを出しました。

 それによると、ボッティチェリ《キリストの哀悼》が含まれるようです。
 記事には、傑作のルネサンス絵画はポッライウォーロのみではないかと、やや残念そうな文章を載せておいでですので、取り急ぎ報告申し上げます。

 油彩のボッティチェリ作品の来日は、ボルゲーゼ美術館展以来でしょうか。
 あの時は、「ボッティチェリ(工房)」だったと思います。

 載せて良いか迷いましたが、プレスリリースのURLを貼ります(PDFファイルです)。

http://www.aham.jp/common/pdf/pressrelease.pdf
返信する
ありがとうございます ()
2013-09-01 12:01:29
左京区 様

うれしいニュース、お教えいただきありがとうございます。
約80点の出品点数。
ポッライウォーロ≪貴婦人の肖像≫に加えて、ボッティチェッリ≪キリストの哀悼≫!!
1495年頃作と、後期作品であることも興味を増します。
他に何を見せてもらえるのか、公式HPの更新が楽しみです。

あべのハルカスは遠くから見たことがあります。
美術館が開館するということなので、今後関西旅行時のチェック先に加えます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。