東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

一遍聖絵・極楽寺絵図にみるハンセン病患者(国立ハンセン病資料館)

2013年06月23日 | 展覧会(その他)

一遍聖絵・極楽寺絵図にみるハンセン病患者-中世前期の患者への眼差しと処遇
2013年5月11日~8月11日
国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)


   西武新宿線久米川駅から、西武池袋線の清瀬駅南口行きバスに乗り、約15分。
   初訪問のきっかけは、ある公共施設で、2013年度春季企画展を知らせるポスターを見たこと。


   国宝である≪一遍聖絵≫は、鎌倉時代(1299年)の制作、全12巻48場面からなる。神奈川県・清浄光寺蔵。
   本展は、その≪一遍聖絵≫の複製が11場面展示されており、これがメインということになろう。

   11場面には、街路や川沿、寺院の軒下にたむろする、乞食、病者、障碍者が描き込まれている。
   その部分は、拡大パネルが用意されている。
   覆面をした人が、ハンセン病患者を表現しているとのこと。

   また、神奈川県指定文化財≪一遍上人縁起絵≫(清浄光寺蔵)が1場面(期間限定)、および鎌倉市指定文化財≪極楽寺絵図≫(極楽律寺蔵)(全期間)の実物が展示されている。
   前者は、江戸時代に編纂されたもので、原本は失われているとのことである。
   さらに、極楽寺から出土した土器も展示されている。


   ≪一遍聖絵≫は、美術品としての価値に加え、歴史的資料としての価値も高い作品らしい。
   一遍の活動のみならず、各地の寺社や名所の景観、群衆の様子も描写されていて、非常に興味深い。
   とは、企画展のテーマがテーマだけに、そう言うのもなんだなあ、と思って眺めていた。


   あわせて常設展示も見学。展示室1「歴史展示」、展示室2「癩療養所」、展示室3「生き抜いた証」から構成されている。



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