週末、ロンドンナショナルギャラリー展に行きたい。
当日、日時指定を予約しようとしたら既に全時間帯が完売。当日では遅いのだ。
公式ツイッターには「入場整理券の配布はありませんが、状況により入場まで多少お待ちいただくこともございます。」とある。
前売券・招待券片手に、予約なしで国立西洋美術館に向かう。
日時指定券ありの人の入場開始時刻の直前に到着したようだ。
日時指定券ありの人は建物正面の入口から入館するが、日時指定券なしの人は別の入口(建物の右手)から入館し、日時指定券ありの列とは隣り合わせではあるが別の列に並ぶ。その列の先頭。
係員の方から、日時指定券ありの人を優先案内、しばらくお待ちいただくことになります、との説明を受ける。承知しています。
時刻が来て入場スタート。
日時指定券ありの人が6人入場し、数人が残る。
日時指定券ありの人が8人入場し、数人が残る。
日時指定券ありの人が7人入場し、数人が残る。そこで、係員の方から次に入場いただけると思います、との説明がある。
日時指定券ありの人が4人入場し、いったん列が解消、続いて日時指定券なしの私1人が入場する。日時指定券なしの列には数人残る。
そうして入場した展示室は、前回訪問の会期初日より人が少なめで、これまでの本展クラスの展覧会と比べると、随分と快適な鑑賞である。
日時指定券の入手は、人によっては、相当にハードルが高いだろう。
ようやく予約する気になって、ようやくネットの前あるいはコンビニ機器の前に立って、頑張って予約画面まで辿り着いたとしても、希望日時は完売。そこで心が折れる人もいるだろう。
予約なしでも鑑賞可と知っていても、前売券・招待券を持ってなければ、事前に市中から手当しなければならない。
そのためか、これまでの本展のような展覧会に比べ、年配者が少ない感もある。
主催者が目指したわけではないが、結果として入場待ち時間が最小化される+入場者数の制限により鑑賞しやすくなる、という鑑賞者メリットが生まれている。一方で、その仕組みがハードルとなっている人たちもいる。人気展覧会の宿命、人を待たせる(諦めさせる)ことには変わりなく、どこでどんな人をどれだけ待たせるのかの違いとなっている。
展示室内。
観覧者は皆さんマスクを着用している。鼻の穴を出している人はたまに見かけるけど。ある程度の会話はやむを得ないことだ。
と思っていたら、1人いた。マスク未着用が。美術館側が入館を拒否できないのをいいことに。驚愕。
マスク未着用の理由は、以前は、手に入らない、であった。それが解消されたと思ったら、次に熱中症、さらには肌の不具合と、新たな理由が出てきた。
しかし、ロンドン展をわざわざ鑑賞しに来た者が未着用とは、一体どんな理由を準備しているのか。
そんな輩が咄嗟に咳エチケットができるとは思えない。手洗いも普段から形だけで終わりにしているに違いない。自分はそういう人間だと世間に宣言しているようなものである。
こちらは眼鏡の曇りに難儀し、眼鏡と作品との間にマスクが入って距離感に苦戦しているのに。
若い男であった。
人が比較的集中する作品トップ3は、フェルメール、ゴッホ、クリヴェッリという印象は前回と同じだが、意外にもカナレットのヴェネツィア景観画も集中する印象。やはりカナレットの写真のような描写を間近でじっくり楽しみたいからだろう。一方、カナレットのもう1点イギリス景観画やグアルディのヴェネツィア景観画は空いている。
館内で最も人が集中するのは、本展特設ショップ。入場待ち行列は途切れない。