東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

画家たちの二十歳の原点(平塚市美術館)

2011年05月28日 | 展覧会(日本美術)

画家たちの二十歳の原点
2011年4月16日~6月12日
平塚市美術館


平塚市美術館へ行くのは、長谷川りん二郎展以来の2回目。
まず東京駅まで行き、東海道線で平塚駅、そこからバス(本数は多い)。
日曜日に行ったのですが、観客も少なめで、鑑賞しやすかったです。


平塚市美術館は開館20周年とのこと。
それで、「画家たちの二十歳の原点」展か。
では、この後巡回する美術館も開館20年(もしくは20年前後)なのかしらん。


平塚市美術館:1991年3月(20年)
下関市立美術館:1983年11月(28年)
碧南市藤井達吉現代美術館:2008年4月(3年)
足利市立美術館:1994年4月(17年)


ちょっと関係なかったか。


展覧会では、日本洋画界黎明期の大御所黒田清輝(1866年生)から石田徹也(1973年生)まで、54名の画家が20歳前後に制作した作品約110点(油彩画に焦点を絞ったそうです)が展示されています。
会場のキャプションで、画家の略歴や画家の言葉が紹介されています(作品自体を説明するキャプションはありません)。
私でも知っている有名な画家もいれば、初めて名前を聞く画家もいます。
長命の人もいれば、夭折の人もいます。現役で活躍中の人もいます。


しかし、なぜ、これら54名の画家が選ばれたのかしらん。
朝日新聞夕刊によると、巡回する4館の40~60代の学芸員が企画、思い入れのある作品をそれぞれ選んだとのこと。
なるほど、基準は特に何もないわけですね。
日本洋画史を一望する、とかそういうわけではないのか。


意外に回顧展に行ったことのある画家(※)も多いなあ。数えると10人もいました。


一番よかったのは、関根正二(1899年生-1919年没)。
「死を思う日」「姉弟」「自画像」「小供」「三星」の5点が展示。
村山槐多(1896年生-1919年没)の5点と合わせ、壁一面を占拠し、見応えがありました。(二人の作品が一番いい位置にあったような気が。)


久しびりに見たのは、石田徹也(1973年生-2005年没)。
「ビアガーデン発」「燃料補給のような食事」「飛べなくなった人」の3点展示。
なんともいえない独特の世界が繰り広げられています。気持ちのいい作品とは言い難いですが。


他に印象的だったのは。


初めて知る画家では、神田日勝(1937年生-1970年没)に興味を持ちました。展覧会で一度まとめて作品を見てみたい。
あと、同じく初めて知る画家で、野村昭嘉(1964年生-1991年没)。26歳で亡くなった方ですが、アパートにいるときに倒れてきたクレーン車の下敷きになったとのこと。衝撃。作品そっちのけで、キャプションばかり読んでいました。


※回顧展に行ったことのある画家


高島野十郎(1890年生-1975年没)
没後30年 高島野十郎展
2006年6月10日~7月17日
三鷹市美術ギャラリー


岸田劉生(1891年生-1929年没)
没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて-
2009年4月25日~7月5日
損保ジャパン東郷青児美術館


牧島如鳩(1892年生-1975年没)
牧島如鳩展 ~神と仏の場所~
2009年7月25日~8月23日
三鷹市美術ギャラリー


河野通勢(1895年生-1950年没)
大正の鬼才 河野通勢 新発見作品を中心に
2008年6月3日~7月21日
渋谷区立松濤美術館


村山槐多(1896年生-1919年没)
ガランスの悦楽 没後90年 村山槐多
2009年12月1日~2010年1月24日
渋谷区立松濤美術館


佐伯祐三(1898年生-1928年没)
佐伯雄三-芸術家への道-展
2005年9月10日~10月23日
練馬区立美術館


長谷川りん二郎(1904年生-1988年没)
平明・静謐・孤高-長谷川りん二郎展
2010年4月17日~6月13日
平塚市美術館


靉光(1907年生-1946年没)
生誕100年 靉光展
2007年3月30日~5月27日
東京国立近代美術館


鴨居玲(1928年生-1985年没)
没後25年 鴨居玲 終わらない旅
2010年7月17日~8月31日
そごう美術館(横浜)


石田徹也(1973年生-2005年没)
石田徹也 僕たちの自画像
2008年11月9日~12月28日
練馬区立美術館



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