続きです。
【イタリア国外】◎6、○1、△2、×1
<ルーブル美術館>2点
「女占い師」、「アロフ・ド・ヴィニャクールの肖像」
・「聖母の死」の名はありません。これまで貸し出されたことはあったのでしょうか?
<ベルリン>1点
「勝ち誇るアモール」
・当時の所蔵先名はカイザー=フリードリッヒ博物館。第二次世界大戦終結からまだ6年。終結直後には、同博物館所蔵のカラヴァッジョ作品「聖マタイと天使(第1作)」、「フィリデの肖像」、「園のキリスト」が疎開先である高射砲塔の火災により焼失。ソビエトに持ち出された美術品が東ドイツに返還されるのが1950年代の後半。本作品が生き残ったことに感謝せざるをえません。
<ミュンヘン>1点
「リュート弾き」(バイエルン州立美術館)
・当時から?付。サイズ110×81cmの作品ですが、特定できていません。
この作品かとも思いましたが、サイズがちょっと違う。
<ウィーン>1点
「ダヴィデとゴリアテ」(美術史美術館)
・本作は真筆かどうかあやしいとする人も少なくないようです。
・「ロザリオの聖母」の名はありません。これまで貸し出されたことはあったのでしょうか?
<スイス>1点
「アレクサンドリアの聖カタリナ」
・ティッセン・ボルネミッサ男爵が1930年代に取得。1992年にマドリードの「ティッセン・ボルネミッサ美術館」へ移されるまでは、スイスの南端のルガノ湖に面して建つティッセン家の私設美術館にありました。
<スペイン>2点
「サロメ」(マドリード・王宮)
「瞑想する聖ヒエロニムス」(モンセラート、サンタ・マリア修道院付属美術館)
・後者については今では?付。前者も万人が認めているわけではないようです。
<イギリス>1点
「洗礼者ヨハネ」
・当時はイギリスの個人蔵。今はアメリカのカンザス・シティのネルソン=アトキンス美術館が所蔵する作品と思われます。
<アメリカ>1点
「聖フランチェスコの法悦」(ハートフォード、ワズワース・アシーニアム)
続いて、カラヴァッジョ帰属作品7点、コピー作品10点に移ります。
ここからは作品の特定がより難しくなります。
【カラヴァッジョ帰属作品】×7
「洗礼者ヨハネ」(スイス、バーゼル美術館)
「聖母子」(ローマ、国立古代美術館)
「聖家族」(ベルリン、カイザー=フリードリッヒ博物館)
「聖家族」(パリ、個人蔵)
「茨の冠」(フィレンツェ、個人蔵)
・今はプラートのカッサ・ディ・リスパルミオ銀行が所蔵する作品と思われます。
「聖セバスチアーノ」(ローマ、個人蔵)
「聖フランチェスコの法悦」(個人蔵)
・特定できなかった作品には画像がありません。なお、パリの「聖家族」はサイズが合わないので、はずれかも。
続きは次回とします。