空の安全を祈って28年
520名の乗客・乗員が亡くなりました。働き盛りで会社の命運を握っていた人や家族連れの乗客など、その一人一人の人生がこの事故で失われました。それと同時に、関係する人たちの人生も大きく狂いました。年老いてから慰霊のために登山することになろうとは誰が思ったことでしょうか。
4名が奇跡的に救助されました。しかし、機体の破損で迷走を続けていた数十分間、どんなに怖かったことかと思います。死を覚悟したとしてもおかしくありません。
「両親をたのむ。しっかり生きろ。立派になれ」「こんなことになるとは残念だ。さよなら。子供達のことをたのむ」というメッセージをメモとして残した乗客もいます。文字の乱れは機体の揺れが如何にすごかったかを物語っていました。
操縦士は、懸命に操縦が不能になった機体の立て直しを図っていました。ボイスレコーダーに残されたその音声を聞くと、乗客の安全を守ろうとする悲痛な叫びが聞こえます。
あらためて520名の御霊に頭を垂れると同時に、「空の安全」を祈らざるを得ません。
合 掌
御巣鷹の尾根、昇魂之碑