小野義秀氏は、矯正の世界に身を置いて35年。退職後は伊豆高原に居を構え、ブログ「伊豆高原シニア・ライフ日記」で、自然あふれる環境の下での悠々自適の生活を綴っています。
「少しでも身体能力と知的能力の衰退を防ぎ、他者に依存することなく自立できる後期高齢者の生き方をできるだけ実現するよう日々努力したい」とブログで自己紹介しています。
2005年から書き始め、当初は試行錯誤の連続だったといいます。そして、齢を重ねるに従い、「いつしか気付かぬままに」執筆の量が減ってきているといいます。そしてそれは、「致し方ないことなのであろう」といいます。
歳をとれば誰でも気力が衰え、できることも限られてきます。だからこそ、歳をとってから書くブログはかなりの重みを持ってきます。「ブログ道」の久米信行氏も、人生最後の日までブログを書き続けていくことに意味があると言っています。
小野氏は、ブログの記事を本にして残しています。いわば「私家版」というものです。毎年2回、半年分の記事をブログの製本サービス「Mybooks」を利用して本にし、それが今年の夏に14冊になったといいます。
「14冊の記録を手元に置いてみると、よくぞここまで書き続けてきたとも思う。これから後何年、つまりあと何冊書き上げることができるだろうか」と、小野氏はその思いを綴っています。パソコンで読むのと違って印刷(製本)されたものを手に取って読む感慨は格別なものだろうと思います。それはまさに、「生きた証」をそこに見ると言っていいのではないでしょうか。
「いずれにせよ、この冊子を広げる人があるとすれば家内しかいないだろうが、一つの形を残すこと自体にも意味あることだとおもっている」と、小野氏はいいます。
しかし、親が健在なときにはそのブログをまともに読まなかった子供も親の死後にはそれをかけがえのない形見として手に取って読むはずです。そういう親子関係もあっていいと思います。
私は子供がいません。しかし私もブログを「生きた証」として活用しています。子供がいないからこそブログに「生きた証」を残す意味もあろうかと思います。
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