映像 ☆☆☆☆☆
といった感じ。
脚本 ☆☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
演技 ☆☆☆☆
役者 ☆☆☆☆☆
迫力 ☆☆☆☆☆
日本映画に復活を思わせる良い出来だった。
主な舞台は戦後すぐの日本。
戦争末期、特攻隊員の主人公・敷島浩一(神木隆之介)は搭乗機の不調を訴えてある小島に不時着する。
その晩、現地住民がゴジラと呼ぶ巨大生物に整備基地が襲われ、敷島と整備隊長の橘を除く全員が犠牲になってしまう。
彼等の死に責任を感じ、生き残ったことに後ろめたさを残したまま、復員する敷島。
罪悪感にさいなまれる敷島だったが、子連れの女性(少女?)・典子(浜辺美波)との出会いを機に少しずつ救われていく。
数年後、東京の復興も進みはじめた矢先、水爆実験の影響で、より強大になったゴジラが表れ東京を襲う・・・。
初代ゴジラのリメイク的作品で、ゴジラは人類の完全なる敵として描かれる。
映像・演出として、ゴジラの描き方が良かった。
幼少期に平成ゴジラに魅了された身として、近年の弱すぎるゴジラ(ハリウッド)や気持ち悪いゴジラ(シン)に感じていた不満を払拭してくれる造形であり、力強さだった。
一方で初代ゴジラの趣も残したものか、人間の兵器がギリギリ通用するラインで描かれているのも、かえって迫力を増すのに一役かっていた気がした。
序盤の重巡・高雄との格闘に手に汗を握り、銀座のビルを薙ぎはらって進む姿に絶望を覚える。迫力満点の映画体験を味わえた。
ゴジラを明るい場所で動かして、真っ正面から描いていたのも好印象だった。
ただ、最後の決戦で少し息切れした感(詳細は後述)があったのが残念だった。
脚本では(一応ネタばれ部分は後述)ご都合主義や分かりやすい伏線があった。が、そんなこたぁどうでもいいんだよ!といった具合に、物語に上手く作用していたので、無視して星をつけた。
人物描写も自然な流れでできていて、感情移入がしやすかった。(掃海)艇長や出始めの典子など、やややり過ぎた感はあった。
役者・演技では、神木隆之介が意外に良かった。ゴジラによる悲劇にみまわれたシーンや明子(典子の連れ子)との触れ合いの場面は胸にくるものがあった。
浜辺美波の典子は、出だしと中盤以降で性格が変わっている気がしたが、明子の世話をしているシーンなどは優しげで魅力的だった。
隣の意地悪おばさんも、明子にほだされていく様子が、良く表現できていた。
そして、その全てを支えた、明子役の子のいとけない演技が完璧だった。
一方で、一部わざとらしく感じる台詞や演技もあったので、☆4つにした。
総じて傑作と言えるのではないだろうか。
※以下、ネタばれを含む感想
【ご都合1・速すぎる高雄】
掃海艇でゴジラの足止めを任された敷島一行。ピンチに颯爽とあらわれた高雄。足止めとは一体・・・。
でも重巡洋艦がかっこいいからヨシ。
第一、間に合わなかったら話が終わっちゃうからね。
【ご都合2・速すぎる敷島】
銀座を闊歩するゴジラ。逃げる人波にのまれる典子。転んだ彼女を助け起こしたのは・・・、ラジオを聞いて駆けつけた敷島!そんなバカな!
でもその後の、爆風に吹き飛ばされた典子の復讐を誓う流れを思えば、必要な演出だった。
【ご都合3・生きていた典子】
ラスト、実は銀座襲撃を生き延び、病院に収容されていた典子。そんなバカな!
でも終わり良ければ全てヨシ。
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