ナラの世界へ ディーン・ニコルソン
かわいい!とにかくナラがかわいい!
写真がたくさんついているので、読み進めながら写真を見て、キュンキュンしていた。
ボスニアで、自転車で旅する青年に必死に走ってついてこようとした子猫。見かねて一緒に旅することになった旅行記だが、体格のいい、ひげ面の青年(というかけっこうおじさんの域に足を突っ込んでいる感)と子猫の組み合わせが何とも言えない。彼はフレンドリーで現地の人ともすぐ仲良くなり、またSNSを通じて各地で助けの手を差し伸べてもらったりして様々なピンチを乗り越え、ナラと一緒に旅をしていく。ナラが具合が悪いともうそれだけで一日悩んだり落ち込んだり、自分の具合の悪いときはナラに元気づけられたい助けられたり、すっかり家族である。一人旅で廃墟で野宿などしているが、ちゃんと猫を病院に連れて行ったり、パスポート等の手続きはきちんとやっている。SNSをうまく活用して、世間とちゃんとつながっているところは今っぽい。インスタやカレンダーを作って出したもうけは動物保護などの団体に寄付しているのも好感がもてる。ナラが死んでしまう終わりだったらいやだな・・・と思ったが、コロナで旅ができなくなったところで終わりだったので、まだこれから一人と一匹の旅は続くんだろう。ネコにパスポートやワクチン接種証明がいるのは初めて知った。本の雰囲気を大切にしたかったので読み終わるまでYoutubeはお預けにしておいたが、そちらも見てみよう。
汚れた手をそこで拭かない 芦沢 央
この人もイヤミスの類かな。
小さな綻びを繕おうとついた嘘やごまかしがどんどんと隠せなくなってきてドツボにはまる・・・と読んでて心がざわつく話ばかりで当然のごとく、後味がすべて悪い(そこがいいのだが)
まるで、学校や仕事に行かなきゃいけない時間なのに、忘れものがあったり、準備が整わなくて家を出られなくて焦るばかり・・・というよく見る夢のようなじりじりしたもどかしさがあった。
たまたま今日、「教員がプールの水を閉め忘れて水道代200万円」というネットニュースを見て、本当にこういうことがあるんだとぞっとした次第。
愉楽にて 林 真理子
久々の林真理子作品。
林真理子さん、こういう「上流社会」大好きだよねー。
でも、男性が主人公って珍しいなあ、と思ったらふうん、なるほど、日経に連載してたのか!へー日経読むインテリおっさんたちはこういうのが好きなのかー。
で、お金と時間があって、学歴も教養もある50代男性は、結局女をとっかえひっかえが楽しいのか?まったく無縁の世界だし、うらやましいとも思わないけど、あとがきを読むと、ここに書いてあることはほとんど実際にあることらしい。へー。
最後はもう、あんたたち女だったら誰でもいいんかい、と突っ込みを入れたくなるほどだっがた、中国人女性ファリンにどっちにもまんまと振られた顛末はザマミロ、と思った(笑)
正直、男性が主人公だったのと、林真理子らしい文章の上手さでこういう世界もあるのねーで面白く読めたが、これが女性だったら・・・鼻持ちならなくて途中でやめてたかもしれないわ。
しかし、田口の母親の出身大学が私の母校なんだけど、母親がかなり嫌な書き方をされていたのが気になった。どうしてわざわざ大学名出すんだろう?なんか恨みでもあるのかしらー?
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