◆消えた名優
俳優で歌舞伎役者の香川照之さんがテレビ画面から消えよう、消されようとしています。と言うか、もう既に消されたようです。
酒の席での昔の不行状が原因とされ、一斉にバッシングされていました。
テレビのワイドショーを見ないので詳しくは知りませんし、知りたくもありませんが、ネットなどを見る限り、相当酒癖が悪かったようで、さもありなんと思います。こんな人結構いますからね。
普段は大人しく、温厚な人でも一旦お酒が入ると豹変、本当に同じ人? と思う人を何人も見てきました。
昔からアルコールが人を変える、お酒に飲まれるなどと言われていますから、格言通りの方だったようです。
でも、
◆演技者としては評価
俳優、役者としては評価出来る方で、2009年に公開された映画『剱岳 点の記』での山岳ガイド宇治長次郎役を演じた演技は良かったですね。今でも記憶に残っています。この作品で、彼は日本アカデミー賞の助演男優賞を受賞しました。もちろん、テレビドラマ『半沢直樹』での大和田常務役の怪演、良かったですよ。はまり役でした。
最近は、NHKのカマキリ先生やトヨタのCM出演にも出演するなど活躍の場を広げて、その才能を遺憾なく発揮してるな、と思っていましたが、今回の件、本当に残念ですし、悲しいです。
最近は、過去の不行状が暴露されると、途端に一斉に叩く、更に人格さえも否定する。過去にも、テレビに映らなくなった俳優さん、お笑い芸人さんなどが沢山いました。
もちろん、それぞれそれなりの理由はあり、擁護はできない方もいたことは事実です。今回の香川さんの不行状は今の世の中では通用しません。それは翁でもわかります。
しかし、今の世の中、今回の某宗教団体の件などもそうですが、相手が反論できないことをいいことにまるで集団ヒステリーのように一斉に叩く、ちょっと行き過ぎではないかな、と思っています。
日本人の寛容さはどこに行ったのでしょうか? と、擁護めいたことを書くとこちらに矛先が向かってくるかもしれませんのでこの辺でやめておきますが。
◆真の友
中1の時、英語の授業で、
「A friend in need a friend indeed」 というフレーズ(ことわざ)を習った記憶があります。
「まさかの時の友こそ真の友」とか「困った時の友こそ真の友」と訳し、窮地に、陥った時に助けてくれる友だちが本当の友だちであるとの意味(ことわざ)です。
このフレーズは、綺麗に韻を踏んでいて、覚えやすいので60年以上経った今でも良く覚えています。
人は絶頂の時には、何だかんだと周りに人が寄ってきます。一瞬、俺は友だちが多い、などと思っていると、どっこいそうはいきません。一旦落ち目になると、一人去り、二人去り、気が付くと誰もいなくなります。
翁も現役の時、役職の変化で何回も経験しました。落ち目とは言いませんが、不遇になると潮が引くように周りから人がいなくなります。自分の不徳の致すところなのですが、あぁそういうことか、と思いました。
そんな時に、声をかけてくださる先輩がいました。一杯飲もうと誘われ、ただ黙って話を聴いてくれました。それだけですが、気持ちが晴れたことがありました。残念ながら、その方は定年後早逝され、それっきりになりました。
香川さんにもそんなお友だちや先輩が一人や二人きっといらっしゃるでしょう。人気商売でイメージが大事ですから、すぐは無理だと思いますが、香川さんのことを思い厳しい言葉で叱咤激励するお友だちや先輩がいらっしゃったら、素直に耳を傾けることが大事です。まだお若いですから、剱岳ならぬ人生の厳しい山を再度登って欲しいですね。またテレビ画面でお顔を拝見する日を楽しみに待っています。
なんて偉そうに翁が言ってもなんの役にもたちませんね、すみません。
終わり