日興コーディアルグループの05年3月期の有価証券報告書の虚偽記載(利益水増し)で、社外の有識者による特別調査委員会が報告書を出したという記事。
特別調査委員会の調査結果について(PDFファイル)
調査委員会の報告書です。特別調査委員会は4名の委員(その他に補佐として日興の社員が8名)から構成されていますが、名前を見た限りでは、会計士などの会計専門家は含まれていません。
分量としては本文だけで約80ページ(資料を入れると120ページ近く)あります。問題となっている年度における監査法人の担当者と会社のやり取りも相当細かく出ています。しかし、会社側のメモや役員・従業員からの聞き取りによっているので、どこまで正確なのかはわかりません。監査法人の方が会社の処理を積極的に擁護しているようにとれる箇所もあります。
調査の対象は、監視委員会から指摘された事項が中心です。連結範囲などの会計基準の解釈の議論というより、社内の役員・担当者、監査委員・監査役、監査法人らが当時どのような動きをしていたのかに焦点を当てているようです。
問題となったEB債の発行日操作については、ベルシステム24株式を取得した直後である8月6日に発行した場合には、9月末までに株価が下落して巨額の評価損を抱えるリスクがあったので、9月下旬になってそのリスクが回避されることが明らかになったタイミングで、8月6日にさかのぼって発行日とした疑いがあるとしています。連結範囲問題は会計基準の解釈だと逃げることもできますが、これは明らかに不正です。
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