公認会計士及び監査法人の疑わしい取引の届出手続きと届出にあたってのお願い
金融庁は、「公認会計士及び監査法人の疑わしい取引の届出手続きと届出にあたってのお願い」を、2024年4月3日に公表しました。
「「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(平成19年法律第22号)第8条第2項の規定に基づき、金融庁長官に疑わしい取引の届出を行う公認会計士及び監査法人の具体的な手続きと届出にあたってのお願い事項をとりまとめたものです。」
以下のような内容です。
疑わしい取引の参考事例(「公認会計士等」が追加されています。)
例えば...
「第2 顧客のためにする会社の設立又は合併に関する行為又は手続等についての代理又は代行に関するものの事例
(1) 具体的な活動の見通しがない法人を設立しようとしている等、会社を設立することに合理的な理由が見出せない場合。
(2) 短期間のうちに合理的な理由なく複数の会社を設立しようとしている場合。
(3) 法人の代表者が外国人である場合で、代表者の在留資格に就労制限がある場合。
(4) 事業の目的の数が合理的な理由なく多岐にわたり、かつ関係性が乏しいものが列記されている場合。
(5) 事業内容等について説明を求めるも明確な回答が得られない場合。
(6) 合理的な理由なく同一の住所地に多数の法人を設立しようとする場合。
(7) 合理的な理由なくテロ行為が実行されている地域やその周辺における活動を事業内容とする法人を設立しようとする場合。」
「第4 真の契約者を隠匿している可能性に着目した事例
(1) 契約を架空名義又は借名で締結したとの疑いが生じた場合。
(2) 顧客が取引の関係書類に自己の名前を書くことや、本人確認書類の提示を拒む場合。
(3) 本人確認の際に顧客が提示した本人確認書類が偽造である疑いがある場合。
(4) 顧客が取引の関係書類それぞれに異なる名前を使用しようとする場合。
(5) 実体がない疑いが生じた法人の関係者が取引に関わっている場合。
(6) 顧客の住所と異なる連絡先に関係書類の送付を希望する場合。」
「第6 その他の事例
(1) 公務員や会社員がその収入に見合わない高額な取引を行う場合。
(2) 顧客が自己のために取引しているか疑いがあるため、真の受益者について確認を求めたにもかかわらず、その説明や資料提出を拒む場合。
(3) 顧客が取引の秘密を不自然に強調する場合。
(4) 顧客が「疑わしい取引の届出」を行わないように依頼、強要、買収等を図る場合。
(5) 暴力団員、暴力団関係者等に係る取引。
(6) 公認会計士等の知識、経験等から見て、不自然な態様の取引又は不自然な態度、動向等が認められる顧客に係る取引。
(7) 腐敗度が高いとされている国・地域の外国 PEP との取引。
(8) 公的機関など外部から、犯罪収益に関係している可能性があるとして照会や通報があった取引。」
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