三菱商事の社員が、注文書を偽造して、化粧品会社が銀行から不正に融資を引き出せるようにしていたという記事。不正に引き出された融資は総額で約100億円に上ります。
ただし、100億円というのはおそらく融資の延べ金額で、融資残高はもっと少ないようです。
社員個人の犯罪で会社は関係ないと考えているのか、三菱商事は会社としての正式のコメントは一切出していません。
しかし、記事によれば、この社員は「三菱商事名義の銀行口座も無断で開設」していたそうです。個人が自分の銀行口座を開設するときですら、本人確認が厳しく行われます。三菱商事名義の口座を従業員とはいえ一個人が簡単に開設できるものなのでしょうか。三菱商事が完全に無関係だとしたら、開設させた銀行は何をやっていたのかということになります。
また、注文書を偽造したという点も、三菱商事における発注に係る内部統制からまったく外れたところで偽造したのなら、会社に責任はないのかもしれませんが、会社の正式なシステムにのせたうえで注文書を発行していれば、会社が発行したのだともいえます。
結果だけをとらえれば、この化粧品会社の資金繰りを助けるために三菱商事が社員の詐欺的行為を見逃していたという解釈もできます。
三菱商事が外部に対して説明を行わないというのは、まったく理解できません。
元三菱商事社員を逮捕・20億円不正引き出しか
三菱商事元社員100億円詐取…銀行から不正融資
三菱商事元社員ら、偽注文書で20億円融資受ける
三菱商事のホームページ(7月21日現在何のコメントもなされていません。)
追記:IRとは別のところにプレスリリースが出ていました。
弊社元社員の逮捕について
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