コンプライアンス違反による倒産が増えているという解説記事。帝国データバンクの人が書いています。
「帝国データバンクの調査によると、2015年度のコンプライアンス違反に端を発する倒産件数は289件となり、前年度の3割増、かつ過去最多を更新したそうです。2009年は94件ですから、比較すると倍以上になります。」
金銭欲による違反(横領など)が原因となって倒産するということはあまりないそうです。
「会社を追い込むほどのコンプライアンス違反について、元々の動機であり目的から区分すると、以下の4つのようなタイプに分けられると推察されます。
A)金銭欲型:権力者が個人的に大きなカネを得るため
B)生きるため型:会社を存続させるために金融機関や取引先を欺く
C)虚飾型:権力者が個人的なプライドを守るため
D)保身型:権力者が地位と報酬を保持するため
Aについては、倒産するレベルのことをやろうとすると、初めから会社を潰して逃げるつもり、あるいはいつ発覚しても構わないように準備しながら、詐欺まがいのことを行います。半面、そのレベルで取り組まない限りは、会社の存亡を揺るがすというレベルには至りません。
毎年1-2件くらい億単位、10億単位の横領事件が起こりますが、不思議とそれによって会社や組織が潰れたということにはなっていません(年金原資が減るなどの深刻なダメージは残しています)。それだけ抜いてもわからないくらいに余裕がある組織でこっそりとやり続けるのでしょう。
ところが、BやCおよびDについては、発覚時には「時すでに遅し」という状態になっていて、潰れなかったとしても、他者に救済してもらうことで経営の自主性が大きく変わったりする事態になりがちです。主体者にとっては(Aと比べて)他人に迷惑をかけている認識はまったくなく、むしろある種の使命感に駆られてやっているような様子もあります。」
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