金融庁が、地域金融機関の「早期警戒制度」を見直すという記事。
より早めに対策を立てさせる制度にするのだそうです。
「早期警戒制度は、財務指標、大口与信の集中状況、流動性状況などから自己資本比率の悪化が見込まれる金融機関に経営改善を促す仕組み。
しかし、過去の定量データを基に運用していたため、環境変化が激しくなる中で行政対応が遅くなりかねないとの懸念が浮上。同庁は将来的な収益見通しの下で、フォワードルッキングに経営改善を促す制度作りを進めていた。
新たな制度では、1)金利、株価、信用リスクなど将来の収益環境に関するストレスシナリオに沿って負荷がかかっても、銀行の自己資本比率が最低所要の4%を下回らないか、2)自己資本比率は高い水準を確保していても、慢性的な収益悪化で将来的に財務健全性をき損する恐れがないか――という観点から地銀をふるいにかける。
問題のある地銀には収益改善計画の提出を命じる。経営陣の努力が不足し、改善の取り組みが不十分なら経営責任を明確化させ、銀行法に基づく業務改善命令を出す。
金融庁は監督指針の改正案を確定させた後、今年7月からの新事務年度で、地銀を対象に同庁作成のストレスシナリオに基づいて一斉に点検を行う方針。」
不動産融資の現場では、フォワードルッキングに融資を厳しくしているようです。
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不動産バブル崩壊を予感させる融資現場の異変
「かぼちゃ」後遺症で銀行が不動産融資にノー(東洋経済)
「これらの事件を経て「不動産業者に対する金融機関の姿勢は急に厳しくなった」(前出のアパート建設業者)。都内の信用金庫幹部は言う。「昨年後半から、今まで付き合いのなかった不動産業者が物件を持ち込んでくることが増えた。地方銀行が一斉に手を引いたため、うちにすがりついてきたようだ」。銀行・信金によるアパートローン(個人による貸家業向け貸し出し)の新規融資額は16年をピークに右肩下がりになっている。」
「金融機関が融資姿勢を厳格化している背景には、金融庁の動きもある。「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査」──。昨年10月下旬、金融庁は全国の金融機関にアンケートを送付した。1棟建てのアパートやマンションなどの融資実行額、件数、債務者数、貸し出し利回りなどを事細かに記載させる。」
「今の金融庁はアンケートやヒアリングを通じて金融機関に注意を喚起してはいるものの、融資量についての制限までは指示していない。「量の規制は民間部門への過剰介入になりかねず、金融庁が踏み込むことはないだろう」(金融機関関係者)というのが大方の見方だ。
アパートローンなど不動産への新規融資はすでに減速している。また、物件価格高騰に伴うリスク増大で金融機関は、不動産向け融資に一層慎重になる可能性がある。金融庁による規制強化がなくても総量規制時に近い金融収縮や、そこからのバブル崩壊が起きかねない状況にある。」
スルガ銀の社長を提訴 株主6人、565億円の損賠請求(朝日)
「行内の審査体制が機能不全になっていると認識しながら、内部統制の構築などを怠って銀行に損害を与えたとしている。」
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