会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

配当金4135万円を取締役が自腹で埋める(東洋経済オンラインより)

新規上場の老舗製紙会社に思わぬ事態
配当金4135万円を取締役が自腹で埋める


東証2部上場の阿波製紙という会社が、違法な中間配当を行い、取締役がそれを穴埋めしたという記事。臨時計算書類の作成と監査を行わなかったことが原因とのことです。

9月中間決算そのものは、阿波製紙が上場した直後の昨年11月8日に、グループ会社などを含めた「連結決算」としては短信の形で公表され、監査法人の四半期レビューも受けていた。」

「・・・配当実施に必要な「単独決算」については、臨時計算書類を作成して監査法人の監査報告書を入手する、という承認プロセスが必要だった。

にもかかわらず、同社はこの必要なプロセスを経ずに、1株当たり5円、総額約4135万円の中間配当を、上場前である昨年9月末時点の株主115名に分配してしまったのだ。」

前の年度までの剰余金で中間配当をまかなえれば問題なかったのでしょうが、おそらく当年度の半期分の利益を加算しないと足りなかったのでしょう。その場合は、四半期財務諸表の作成とレビューとは別に、臨時計算書類を作成して、監査を受けないといけません。

記事によれば、この違法配当は、2013年3月期の期末監査で監査人が発見したそうです。監査人としての任務は果たしたといえますが、本来は、事前に会社の配当方針をヒアリングし財源が足りているかを検討して、適切にアドバイスすべきだったのでしょう。
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