会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

京大に自社株19億円分を寄付 JCRファーマ「全国初」(共同通信より)

京大に自社株19億円分を寄付 JCRファーマ「全国初」

JCRファーマ(東証プライム)が自社の株式100万株(時価総額約19億円)を京大の基金に寄付したという記事。

「京都大と医薬品メーカー、JCRファーマ(兵庫県芦屋市)は5日記者会見し、同社が自社の株式100万株を京大の基金に寄付したと発表した。時価総額約19億円で、配当金2千万円前後が毎年基金に充当される。同社と京大側によると、企業が自社株を国立大に譲渡する形の寄付は全国初という。」

「京大が9月に1株1円で同社の株式を取得した。」

会社のプレスリリース。

国立大学法人京都大学への寄付を目的とした第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ(詳細決定)(2022年8月) (J C R フ ァ ー マ)(PDFファイル)

国立大学法人京都大学に対して、第三者割当による自己株式の処分を行ったという形になっています(1株1円×1百万株=1百万円)。

約19億円の寄付を行ったのに、損益計算書には1円も計上されないということなのでしょうか。第2四半期の四半期報告書にも、計上されていないようです(営業費用に含めていればわかりませんが)。

寄付すること自体は立派なことですが、会計処理としてはしっくりこないものがあります。

会社法上の手続は踏んでいるにしても、費用に計上しないということは、株主が知らないうちに、株式の価値が薄まっていたということでしょう。

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